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第2章 第19話(※)
俺の中で達した麻斗 さんは、体を繋げたまま体重を預けてきた。
全身で感じる麻斗さんの重み。
抱かれてる時はさほど感じなかったから、きっと加減してくれてたんだ…。
麻斗さんは本当に優しい人。
自分だって大変だったはずなのに、俺を気づかってくれた。
そんな麻斗さんが愛おしい。
はぁはぁ…と呼吸をしながら上下する麻斗さんの背中をそっと抱きしめた。
「環生 …ありがとう。最後までできたよ」
心から安心したような麻斗さんの声。
その声を聞いたら胸が熱くなって涙ぐんでしまった。
「環生…泣いてるの?」
気づいた麻斗さんの心配そうな顔。
麻斗さんの瞳もいつもより潤んでいた。
「麻斗さんが俺でイッてくれたのが嬉しくて…それで…」
「環生…」
ぎゅうっと抱きしめられて顔中にキスされた。
「…ったく、いつまでイチャついてんだよ。完全に俺たちの事忘れてるだろ」
「そろそろ俺にも環生を独り占めさせて欲しいんだが」
柊吾 と秀臣 さんの声。
そんな事を言う2人も幸せそうな麻斗さんを見て嬉しそうな顔をしていた。
麻斗さんと俺は顔を見合わせて、ふふっ…と笑った。
「お待たせ、秀臣さん」
次は…秀臣さん。
3人連続なんてできるかな…と思ってたけど、ハード系プレイじゃなかったし、自分がイッた訳ではないから体力もまだ残ってる。
それに…こんなに幸せな気持ちなれるセックスだからもっとしたい。
「たくさん…独り占めして…」
俺は恥ずかしさを堪えながらベッドに座る秀臣さんの膝に乗って、体を寄せた。
すっぽりと包み込まれるように抱きしめられる。
秀臣さんはこだわりが強いから…好きな体位やしたいプレイがあるのかも。
さっきは俺の望みを叶えてもらったから、今度は秀臣さんの好きにして欲しい。
「秀臣さんのしたいようにして…」
至近距離で見つめ合うのが何だか恥ずかしくて、おでこにチュッとキスをした。
「俺は環生の顔を見ながら抱きたい。対面座位は好きか」
「うん…好き///」
「そうか。ではそうしよう」
秀臣さんは落ち着いたように振る舞っていたけど、本当はドキドキしてるのかも。
だってちょっとだけ頰が赤かったから。
熱いキスを交わしていくうちに、秀臣さんが少しずつ体重をかけてきて、そのままベッドに寝かされた。
秀臣さんの俺を欲しがる表情。
首筋や鎖骨に与えられる手の平の温もり。
早く2人で気持ちよくなりたい…。
正常位で一つになってから、抱き起こしてもらう。
体が離れないようにぎゅっとしがみついた。
「はぁん…やっぱり秀臣さんのすごい…」
対面座位の体勢になると、秀臣さんがズブッと奥まで入ってきた。
お腹の中が大きな秀臣さんでいっぱい。
「秀臣さん…///」
「環生…綺麗だ」
口下手な秀臣さんの最高の誉め言葉。
優しい口づけ。
お尻と腰のあたりを、温かい手で強く抱き寄せられたから、お腹から下がくっついた。
俺の性器が秀臣さんのお腹に当たってしまう。
硬くなってるし、濡れてきたから恥ずかしい…。
「環生も一緒にだ」
秀臣さんは俺自身にローションを垂らして、ゆっくりと塗りつける。
もうそれだけで体がビクビクと反応してしまう。
「動くぞ、環生」
「んっ…あぁん、気持ちいい…!」
体を揺さぶられる度にローションでぬるぬるになった裏筋が、秀臣さんの下腹部に擦りつけられる。
こんなの…すぐイッちゃいそう///
さっき前でも後ろでもイッてもう満足してるはずなのに…。
秀臣さんがイクまで我慢しようって思うのに、もっと気持ちよくなりたいって気持ちが抑え切れない。
秀臣さんに突き上げられながら、秀臣さんの体に自分の体を寄せる。
敏感になった胸の先を押しつけて一緒に愛撫してもらう。
瞳を閉じて快楽に集中していると、奪うようなキスをされた。
あぁ…俺は今、秀臣さんのもの。
前も後ろも胸も唇も…全部が秀臣さんで満たされて気持ちいい。
でも…どうしよう。
イキたくなってきちゃった…。
「どうした、環生」
モジモジする俺の様子に気づいた秀臣さん。
「…気持ちよくて…はぁ…出そう…。…でも、まだ秀臣さんが…」
「俺はいい。環生が先にイクんだ」
「でも…あぁん、俺…秀臣さんに…先にイッて欲しい」
俺ばかりイクのは淋しい。
秀臣さんにも気持ちよくなって欲しい。
「俺で果てる環生の顔を見ながらイキたいんだ。そのための対面座位だ」
「本当に…いいの?」
秀臣さんは黙ってうなずくと、俺自身を握り込んでたくさん扱いてくれた。
体の奥から絶頂が駆け上がってくる気配。
「あぁん、出る。…出ちゃうぅ!秀臣さん…あぁっ!!」
頭が真っ白になった俺は、秀臣さんの手やお腹に精液をまき散らしながらイッてしまった。
「綺麗だ、環生…。俺も、もう…」
秀臣さんの終わりが近い。
イッたばかりで下半身に上手く力が入らないけど、最後の力を振り絞ってお尻を締めた。
秀臣さんの唇をついばむようなキスを何度も何度もした。
「環生…!」
秀臣さんは俺の名前を呼びながら、俺の中へ溢れるくらいの熱くて深い愛情を注いでくれたんだ…。
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