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第3章 第3話(※)

「俺も…(さとる)に抱かれたい…」 俺は、俺の意志で悟に抱かれる事を選んだ。 きっとお酒の勢いもあったと思う。 それに今を逃したらもう2度とこんな風には会えないから…。 恋人繋ぎをしながら悟が滞在しているホテルへ向かう。 全身が心臓になったみたいにバクバクいってるし、手汗をかいた手は震えてる。 手を繋いでいるのが恥ずかしい。 そんな火照った俺の頬を、夜の冷んやりした風が撫でていく。 道行く人が皆、悟を見てる。 そうだよね、こんな芸能人みたいなイケメン歩いてたら見ちゃうよね…。 悟は皆の視線を全く気にする事なく歩いていく。 俺の歩幅に合わせてくれながら。 俺が見られてる訳じゃないけど、無性に恥ずかしかった。 「ここで待ってて」 悟はロビーに俺を残して、ダブルベッドの部屋への変更手続きをしに行った。 カウンターで手続きをする悟の後ろ姿を見て急にドキドキしてきた。 俺…本当にお泊まりするんだ…。 秀臣(ひでおみ)さん達のグループLINEに『同期と飲んでて遅くなるから泊まります』とメッセージを残して通知を切った。 過保護な3人だから、どこで誰と飲んでるのか、どこへ泊まるのかとか根掘り葉掘り聞かれそうだから。 「お待たせ、環生(たまき)。家に連絡は済んだ?」 「うん…」 「大丈夫?家の人が気になるなら帰る?」 「ううん、帰らない。大丈夫…」 悟に心配をかけたくない。 俺は急いでスマホを鞄に押し込んだ。 部屋に入るとすぐに悟に抱きしめられた。 悟の体温、ほんのり甘くて爽やかなトワレのにおい。 「環生…やっと2人きりになれた」 「うん…」 俺からも悟に体を寄せた。 しばらく見つめ合った後…そっと唇を重ねた。 ずっと味わってみたかった悟の唇は、温かくて弾力があって、少しお酒の香りがした。 「悟、もっと…」 念願が叶った俺はもう我慢の限界だった。 どんどん欲張りになって、自分から舌を絡めて悟の熱を求めた。 静かな部屋にお互いの息づかいと唾液の絡み合う音がする。 悟の舌は生き物みたいに動いて俺の舌を翻弄していく。 頭がぼんやりしてきて、脚の力が抜けてくる。 もう…立っていられない。 壁に背中を預けて夢中でキスを交わした。 「環生がやらしくて興奮する。ほら…触ってみて」 悟は俺の手を悟自身に導いた。 スラックス越しにでもわかる硬さや大きさ。 この温もりが今から自分を愛してくれるのかと思うと、たまらない気持ちになった。 「俺も…触って…」 悟の手に熱を持った下半身を擦りつけた。 「環生も硬いね…。いつからこうなってたの?」 「…さ、さっきのお店…///」 「へぇ…。じゃあお店でも道でも、エッチな事ばかり考えてたの」 耳を甘噛みされながら、やわやわと揉みしだかれるだけで、蜜があふれて、このままされたらイッてしまいそう。 ベッドにたどり着く前に果ててしまうのだけは避けたくて、愛撫から逃げるように腰を引いた。 「一緒にシャワー浴びようか」 「うん…」 俺がうなずくと、悟は軽々と俺をお姫様抱っこした。 「さ、悟…///」 「大丈夫、つかまって」 言う通りにすると、悟は少し笑って優しいキスをしてくれた。 お風呂場で熱いキスを交わしながら、お互いのネクタイをほどいて、シャツのボタンを一つずつ外していく。 早くその肌に触れたいのに、唇が気持ちよすぎて、指先が言う事を聞かない。 もどかしい気持ちになっていると、悟は自分で器用にボタンを外して、俺の手をその左胸に触れさせた。 手の平で感じる悟の温もりと、鼓動。 慰安旅行で温泉に行った時、脱衣所でこっそりガン見していた悟の裸。 目の前にあるのも、触れられるのも信じられなくてモジモジしてしまう。 「好きなだけ触れていいんだよ」 悟は俺の頰を撫でながらそう囁いた…。

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