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第3章 第17話

秀臣(ひでおみ)さん…」 秀臣さんの温かい腕に抱かれると、ふわふわした気持ちになって体の力が抜けていく。 俺がリラックスしたのを確認した秀臣さんは元のイスに戻ると、手に取ったアロマオイルを体温でなじませた。 丁寧に俺の足首から下に塗って、ゆっくりと揉みほぐすようにマッサージを始めた。 足の裏を撫でたり、揉んだり…絶妙な力加減。 アロマのいい香り。 温かい手やオイルの感触が気持ちよくて頭がぼんやりしてくる。 「痛くはないか」 「うん…気持ちいい。秀臣さん、そこ…もっと…」 揉んで欲しいところをリクエストすると、急に秀臣さんの手が止まった。 不思議に思って顔を上げると、秀臣さんは真っ赤な顔をして少し恥ずかしそうにしていた。 「秀臣さん…?」 「…すまない、環生(たまき)がセックス中みたいな煽情的な声を出すから、つい妄想を…///」 「…秀臣さんのエッチ///」 俺が頰を膨らませると、秀臣さんは申し訳なさそうな顔をした。 「すまない。それだけ環生が魅力的なんだ。もっとその声を聞きたくなるくらいに」 秀臣さんはじっと俺を見つめながら人差し指で俺の右足の親指と人差し指の間をゆっくり撫でた。 「んっ…ぁ…」 くすぐったくて気持ちよくて、変な声が出てしまった。 耳を甘噛みされた時みたいなぞくぞくする感じ。 今の…何…? 「マッサージ中にそんな声を出す環生もエッチだろう」 秀臣さんは俺の様子を楽しむように、左足の指の間を撫でた。 「あぁん、そこだめ…///」 …どうしよう、気持ちよくてお腹の奥が熱くなっていくのがわかる。 「環生は感度がいいからな。きっといい反応をすると思った」 俺の性感帯を見つけた秀臣さんは、ご機嫌な様子で俺のそこをいじり始めた。 「や…だめ…感じちゃう…」 俺がイヤイヤをしてもやめてくれない。 本気で嫌がってないのを知ってるから。 「麻斗(あさと)柊吾(しゅうご)にも教えてやったらどうだ。きっと喜ぶ」 「やだ…言いたくない///」 麻斗さんに知られたら足の指全部を舐め回されそうだし、柊吾にバレたらセックス中ずっと足の指を撫でられそう。 一緒に胸や前を愛撫されたらどうなっちゃうんだろう…なんてエッチな妄想をしていたら、心臓が騒ぎ始めて、下半身が熱を帯びていく。 あ…ヤバイ、この感じ…。 このままだと勃っちゃう! 「足の指はもういいから…///違うとこして…」 「…っ、環生。それは誘ってるのか」 ちょっと戸惑った様子の秀臣さん。 「さ、誘ってないよ…。指の間をされると感じちゃうから、足の違うところをマッサージして欲しくて…」 でも、よく考えたら『足よりももっと気持ちいいところ触って』って誘ってるようにも聞こえてもおかしくない。 「エッチなところはまた今度触って…。今日は秀臣さんとゆっくりしたい…」 「わかった。改めてこんな事を聞いてすまなかった」 「ううん、ちゃんと確認してくれてありがとう。俺も曖昧でごめんなさい」 優しい秀臣さん。 オイルでベタベタしてなかったら、抱きついてキスをするのに。 『秀臣さんが嫌で断るんじゃないよ』 『今度は抱かれたいよ』って、態度で示したかった。 「秀臣さんは…気持ちいい事しなくていいの?」 「あぁ。俺も今日は必要ない。俺の作った衣類を身にまとって感情豊かに生きる環生を見ているだけで満たされる」 契約上は『家政夫兼、体のお世話係』だけど、気軽にマッサージをお願いできたり、エッチな事をするかどうかを話し合って決めたり。 労働力ではなく、一人の人間として大切にしてもらえるのが嬉しかった。

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