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第3章 第20話(※)
「嬉しい、麻斗 さん」
「俺も環生 とイチャイチャできて嬉しいよ」
甘い触れ合いや俺を甘やかすのは好きだけど、挿入と射精にさほど執着がない麻斗さん。
『ムラムラするから抜いて。でも挿れないで』なんて俺の無茶振りも麻斗さんには合ってるみたいで嬉しそう。
お風呂を済ませて一緒に麻斗さんの部屋へ。
ソファーに座った麻斗さんが、おいでと手を引いた。
ドキドキしながら麻斗さんと向き合ったまま膝にまたがった。
「照れてる環生が可愛い」
俺を抱き寄せた麻斗さんは頰にチュッとキスをした。
今度のキスはおでこ、それから鼻の先。
唇や体へのキスはわざと避けてくれてるんだと気づいた。
「麻斗さん、唇もして…」
「無理しなくていいよ。まだ彼を想ってるなら大切にした方がいい」
優しく頭をナデナデされた。
「彼の事はもういいの…。俺…麻斗さんのキスが好き。麻斗さんとキスしたい」
目を閉じて麻斗さんの唇を待った。
「そんな可愛い事して…」
顎に手が添えられた後、唇に与えられた柔らかな温もり。
離れていく瞬間に瞳を開けると麻斗さんが俺を見つめていた。
「麻斗さん、そんなに見ないで///」
「どうして?環生のキス顔可愛いのに。もっと見たいよ…」
麻斗さんの甘くて優しい囁きで体がとろけそうになる。
角度を少し変えてまた触れるだけのキス。
「柔らかい唇。マシュマロみたい」
麻斗さんの指先が俺の下唇をゆっくりなぞる。
その指先を食んで舌先でペロッと舐めると、環生のエッチ…と微笑んだ。
キスをして微笑み合うのを何回か繰り返していくうちに少しずつ長めのキスになっていく。
唇が重なる度にチュ…チュ…と響く音がだんだんとろみを増してくる。
「ん、はぁ…麻斗さん…」
気持ちよくなってきて、麻斗さんの胸や二の腕を撫で回しながら続きをねだった。
熱い口づけを交わしていると、麻斗さんの手がお尻に伸びてくる。
「小さくて可愛い丸み。お尻も柔らかくて気持ちいいよ」
両手で俺のお尻を揉んだり撫でたりしながら少しずつデニムとパンツを脱がせていく。
「麻斗さん…」
俺も麻斗さんのキスに応えながら、順番に麻斗さんのゆったりしたリネン素材の部屋着のズボンとパンツを脱がせた。
「洋服はちゃんと着てるのに下だけ丸見えの環生もエッチでいいね」
上を脱がさないのは、きっとキスマークを気にしてる俺を気づかってくれてるから。
「麻斗さんだって…///」
ゆったりした生成り色のシャツ。
裾から大きくなった麻斗さん自身が見えてドキドキしてしてしまう。
「環生をもっとトロトロにしようかな」
麻斗さんは俺の腰を抱き寄せると、存在を主張している俺自身に、麻斗さん自身をくっつけて一緒に握ってくれた。
「1人より2人がいいでしょ?」
「うん…1人だと淋しい…」
「環生は甘えん坊だね」
麻斗さんが手を動かすと触れ合う先端。
扱く度に2人の透明な雫が絡み合う。
麻斗さんの熱や質量を敏感な裏筋で感じるだけで腰が抜けそう。
グチュグチュと湿った音が官能的。
「んんっ、あァン…麻斗さん…」
待ち焦がれた刺激。
もっと気持ちよくなりたくて、2人の先端を撫でた。
体に電流が走るような快感。
胸やお尻への愛撫がなくてもイッてしまいそう。
「どうしよう…はぁ…気持ちいい…」
「俺も気持ちいいよ。もっとしようか」
麻斗さんは腰を抱き寄せて下半身を密着させた。
「ぁ…あぁん、もっと…」
俺も蜜でトロトロになった先端を擦るスピードを上げた。
「可愛い環生。もう我慢しなくていいからね」
麻斗さんは汗ばむ俺のおでこや頰にそっと口づけた。
麻斗さんの手に少し力が込められて、俺をイカせる動きに変わる。
その手に導かれて、飢えた体はすぐに昇りつめそうになる。
「麻斗さん…俺、もう…///」
「いいよ、環生のタイミングで」
どちらからともなく唇を重ねた。
麻斗さんの舌が俺の舌を絡めとる。
俺も麻斗さんの両頬に手を添えて、夢中で口づけた。
熱くて甘い舌を貪っていると背筋を駆け上がってくる強烈な快感。
「あッ、も…イク…。イキそう、麻斗さん…ぁ…ああぁぁん!」
俺は麻斗さんの腕に抱かれながら上半身を弓なりにして絶頂を迎えた…。
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