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第4章 第20話side.誠史

〜side.誠史(せいじ)〜 「あったかい…」 誠史さんの心臓の音が聞こえる…と、安らいだ環生(たまき)の声。 「あぁ、温かい」 頰に手を添えて口づけようと思ったら、待ってください…と、止められた。 「あの…誠史さん。俺に…ネックレスつけてください///」 頰を染めた環生が大切そうに握りしめていたのは俺が買い与えたネックレスだった。 「覚えていてくれたのかい?」 これを身につけた環生を抱きたいと言った俺の言葉を覚えていたらしい。 俺の望みを叶えようとする環生に胸が温かくなった。 「はい…///」 少し潤んだ瞳で不安そうに俺を見つめる環生。 「環生を抱くのを楽しみにしていたよ」 そう囁きながらネックレスをつけた。 晒された環生の華奢なうなじの透明感に体が疼くのがわかった。 白い肌に映えたそれは、俺の所有を示す首輪にも見えて、言葉にできない興奮を覚えた。 「ありがとうございます…。俺、あの日以来ずっと誠史さんが恋しくて仕方なかったんです。だから…んんっ…///」 我慢の限界だった。 俺を慕うその瞳や、可愛い事を言う唇に誘われて少し強引に唇を塞いだ。 「んっ…はぁっ…ふ…」 すぐにとろけた声を出す環生。 慣れた様子で正面から膝に乗って抱きついてきた。 隙間なく触れ合う体。 絡み合う吐息。 小さな耳たぶや、むしゃぶりつきたくなるほど妖艶な首筋。 甘噛みをしながら唇を移動させて、ネックレスに口づけた。 「それ…ドキドキします///」 嬉しい…とおでこにチュッと触れる柔らかな唇。 あちこちにキスをしながら部屋着を脱がせ合う。 今日の環生の下着はシンプルなチャコールグレーのボクサーブリーフ。 相変わらずシンプル好きのようだ。 「誠史さんのパンツ…カラフルでエッチ///」 俺は持参した勝負パンツだ。 少し光沢のある素材でできたカラフルなボーダーのボクサーブリーフ。 「今度帰ってくる時は、俺が脱がせてみたいセクシーなパンツを買ってこよう」 「そんなの…は、恥ずかしいです…///」 うつむく環生の背中をそっと撫でた。 さぁ、どうしようか。 ロンドンで一通り男同士のセックスについて学んだ。 初めて知る事がたくさんあった。 あの時、知らないまま環生を抱いたらきっと痛い思いをさせただろう。 誰かで試す気にはなれなくて、いきなり本番を迎えるが、きっと環生を満足させられるだろう。 甘えん坊だから、とことん甘やかして気が済むまで可愛がってやりたい気もするが、俺に尽くす姿も見てみたい。 俺は一芝居打つ事にした。 「俺に男同士での愛し合い方を教えてくれるかい?」 しばらく真っ赤な顔で俺を見つめていたが、大きく深呼吸をした環生は恥ずかしそうにうなずいた。

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