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第4章 第30話(※)

柊吾(しゅうご)と映画館デートをした夜の事。 俺は満足そうに眠る柊吾の腕の中にいた。 映画の途中で眠ってしまって、嫌な気持ちにさせたはずなのに、柊吾は嬉しそうだった。 その後で入ったカフェでも、電車でも家でも終始ご機嫌。 柊吾は2人分の映画のパンフレットとキーホルダーを買って1セットをプレゼントしてくれた。 途中で寝てしまったから見てないけど、ヒロインが恋人からプレゼントされたキーホルダーと同じデザインのもの。 映画を見たらパンフレットを買いたい派だし、柊吾との初デートを思い出せるアイテムが欲しいなぁって思ってたから嬉しかった。 映画を見ている時に柊吾がエッチな感じで手を触ってきたから、夜は激しそう…って思ってたけど、柊吾は嘘みたいにあっさり眠ってしまった。 『環生(たまき)を独り占めできて嬉しかった』って俺をぎゅっと抱きしめながら。 久しぶりの街で疲れたんだろうな…って思うけど、本当はちょっと残念だった。 俺は柊吾とのセックスを望んでたから。 でも、いつもお互いにヤル気満々な訳じゃないからすれ違う事もある。 そんな時は眠ってしまえばいいんだけど、今夜はなかなか寝つけなかった。 毎晩、夜遅くまで誠史(せいじ)さんとセックスしてたから、この時間帯は目が冴えてるし体のリズム的にもちょっと疼く。 毎日してたから性欲自体は満たされてるはずなんだけどな…。 今日、柊吾と過ごして柊吾の新しい一面を知った。 柊吾の魅力を再確認したら、おまけに体も反応してしまって…。 眠ってる柊吾を起こす訳にもいかないけど、性欲もおさまりそうもない。 眠ろうと思って目を閉じると、嗅覚や聴覚が過敏になって、余計に柊吾を意識してしまう。 ちょっとだけ…。 部屋着の上から少しだけ下半身に触れると、電流が走ったみたいな快感。 もうちょっとだけ…。 今度はゆっくり撫でてみる。 刺激につられてムクムクと質量を増していく俺の中心。 握ってみたら一気に反応してしまった。 ど、どうしよう/// やめなくちゃいけないってわかってるけど自分の欲望にも逆らえない。 柊吾の腕の中でオナニーしてる事も、柊吾にそれを知られる事もどうしようもなく恥ずかしいけど、扱く手が止められない。 俺…こんなに淫乱だったの…。 我慢しても、声が漏れてしまうしベッドも揺れる。 だめ…もうイッちゃう…! 俺は柊吾の胸に顔を埋めながら自分だけで果ててしまった。

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