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第4章 第32話(※)
「柊吾 …はぁん…ああんっ…またイク…も…イッちゃうよぅ。ああぁっ…!!」
「俺もイクぞ、環生 。環生の中に出すぞ…んぁっ…!」
2人で絶頂の余韻に浸りながらベッドに横になった。
柊吾も俺も、もう何度めの絶頂かわからない。
トコロテンしてしまうくらい激しめに前立腺を擦られて、両胸もしつこいくらい愛されて、足腰がガクガクになるまでイカされた。
俺がよがるのを見た柊吾もどんどん興奮していって、果ててもすぐに元気になった。
かなりの盛り上がりで、体もシーツも2人分の精液と汗まみれ。
体の熱が冷めるのを待って、シャワーとシーツ交換を終えたら真夜中になってしまった。
いつもの腕枕だけど、今日は密着度が高め。
柊吾は事後もセックス中と同じくらい優しくしてくれる。
このままおしゃべりしながら、いつの間にか眠りにつくのが俺たちの定番。
「ごめんな、環生が可愛くて止められなかった」
「ううん…嬉しい。俺こそごめんね、寝てたの起こして…」
「謝るなよ…。起こしてでも俺がいいなんて最高だ」
俺の体を抱く腕に力がこもる。
そのまま軽く唇を重ねて微笑み合った。
眠っていたのに俺の無茶ぶりを受け止めて、応えてくれた柊吾の優しさに胸が熱くなった。
「明日の朝、起きられるかな…」
「環生は寝てていいぞ。麻斗 たちには俺が抱き潰したから休んでるって言えばいい」
「は、恥ずかしいよ…///」
口ではそう言ったけど、本当に足腰が痛くて起き上がれないかも。
でも、本当に俺が姿を見せなかったら心配をかけてしまうし、きっと柊吾が叱られる。
言い出しっぺは俺なのに。
「もし立てなかったら、柊吾に抱っこして連れて行ってもらおうかな」
「あぁ。環生の足になってどこでも連れてくし、何でもする」
約束だ…と囁く柊吾の言葉にドキッとした。
柊吾は優しいし、俺の事を大切に思ってちゃんと責任も取ってくれようとする。
新しい柊吾の一面を知る度に、柊吾が恋人だったら幸せだろうな…って思う。
「柊吾…フラれた事ないでしょ」
「何だよ、急に」
「ん…だって素敵彼氏に必要な要素全部持ってるから」
俺がそう言うと、柊吾が苦笑した。
「そうでもないぞ。フラれる時は大体『面倒くさくて重い』か『セックスがしつこい』って言われるんだ」
それを聞いた俺は思わず吹き出してしまった。
柊吾には申し訳ないけど、元恋人さんの気持ちがよくわかったから。
確かに頼りがいがありそうだけど、時々甘えん坊だし、優しいけど繊細すぎるし、独占欲も強いから束縛されそうだし、全力で気持ちをぶつけてきそうだから『面倒くさくて重い』かも。
体力も精力も無限にありそうだし、相手を悦ばせるのが好きだから『セックスがしつこい』のもよくわかる。
今夜もそうだったし…。
「何だよ、何で笑うんだよ」
「ごめん…。確かに…って思ったら可笑しくて」
俺がふふっと笑っていると、柊吾は少しだけ淋しそうな顔をした。
「嘘だよ、柊吾は素敵」
「お前…言葉が軽いんだよ。…ったく、さっきは『柊吾、抱いて…』って必死な顔してたくせに」
柊吾は俺の声真似をしながら鼻の頭をぎゅっとつまんだ。
「えー、だって可愛いだけの俺じゃつまらないでしょ」
お返しに俺も鼻の頭をツンとつついた。
「別に…可愛いだけの環生でも俺はかまわないぞ」
可愛い環生、可愛いし…///なんて言う柊吾。
結局柊吾はどんな俺だって受け入れてくれるんだろう。
きっと柊吾が恋人だったら、溺愛されちゃうんだろうな…。
「ありがとう、柊吾。俺…幸せ」
俺は両手で柊吾の両頬を包み込むと、そっと唇を寄せた…。
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