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第5章 第5話(※)
「可愛いなんて言われたの初めてだ」
恥ずかしさと嬉しさをミックスしたような豪 さんのくすぐったそうな顔。
「可愛いですよ、豪さんはとっても」
そう伝えて手を握った。
「甘える男は嫌じゃない?」
「ずっと全力で甘えられたら辛いかも知れないけど、時々なら嫌じゃないです」
今は遠慮しなくていいですよ…と、後頭部を撫でるとキスして欲しそうに唇を示す豪さん。
頰に手を添えて、チュッとキスをした。
鼻先や頬、顎にキスをした後また唇へ。
最初は俺のされるがままだったけど、だんだん主導権が豪さんにうつっていく。
頰へのキスが唇に…それから首筋へ。
俺から『も』キスして欲しいって言ってたから、きっとセックス自体はリードしてくれる感じなのかな…。
本当にちょっと甘えたかっただけなのかも。
「続き…してもいい?」
「はい…」
鼻の先に軽いキスをした豪さんはタンクトップを脱ぎ始めた。
露わになっていく豪さんの筋肉質で引き締まった体。
今まで抱かれてきた人達も引き締まってるって思ってたけど、レベルが違った。
こんなに割れてる腹筋初めて。
肉体美ってこういう感じなのかも…。
「また見てる」
「ごめんなさい、つい…///」
「いいよ」
急いで脱ごうとすると、豪さんが丁寧に脱がせてシワにならないようにたたんでくれた。
買ったばかりのお気に入りのカットソーだったから大切にしてもらえて嬉しかった。
洋服もこんなに大事に扱ってくれるから、きっと俺にも無茶はしないはず。
こういう小さな安心が積み重なって、心の距離が近づいていくんだと思う。
知り合って間もないけど、体を預けても大丈夫だって思えるんだ…。
「豪さん…ありがとう」
「俺の方こそ…ありがとう」
ぎゅっと抱きしめられる。
体も大きいし、腕も太いから体丸ごと包みこまれてる感じ。
むちっとした豪さんの肌の感触。
俺よりちょっと体温が高いから、湯たんぽみたいで気持ちいい。
寒い夜にぎゅっと抱きついたらよく眠れそう。
「豪さん、あったかくて気持ちいい…」
「環生の肌も柔らかくて滑らかで気持ちいいよ」
首筋や鎖骨へのキスを感じながら、大きな手であちこち撫でられると、体がポカポカしてくる。
目を閉じて身を任せていると、指先が胸の先をかすめた。
「ん…」
先端に触れたり、押されたり。
つまんだまま揉まれて、指先だけで擦られて…。
豪さんの愛撫で、気持ちいい事が大好きな下半身やお尻が一気に反応してしまう。
「あぁん、豪さん…それ好き…///」
指先が動く度に下半身が痺れたように疼く。
俺も真似をして豪さんの胸に触れた。
「環生 …」
さっきより荒くて色気のある息づかい。
豪さんの乳首がぷくっと張ってきた気がする。
「豪さん、胸…感じるんですか?」
「感じるよ…。胸をいじられるの好きなんだ」
そうなんだ…。
胸が性感帯の男の人に初めて出会った。
仲間がいて嬉しい。
自分の胸をどうされると気持ちいいかを知り尽くしてるから、きっと豪さんも満足させてあげられる。
腕の見せ所だとばかりに張り切って胸に触れたら、豪さんが身をよじって俺の手をかわす。
「環生、待って…///」
「だめです、待ちません」
一緒に気持ちいい事しましょ…と囁いて先端をキュッとつまむと、豪さんの体がビクンと跳ねた。
「はぁ…環生…」
「ん…豪さん…」
お互いの下半身にも手を伸ばして、濃厚な口づけを交わす。
デニムの上から撫でているのがもどかしくて手探りで脱がせ合う。
太くて長い豪さん自身の感触。
入るのかな…って不安より、入った時の快感を想像して興奮してしまう。
先走りでグショグショに濡れてるのも、先端の張りもたまらない。
早く欲しい…。
脚を開いて目配せをすると、豪さんが俺のお尻に手を伸ばし始めたから、俺は2人分の性器を握いてゆるゆると扱く。
「…環生は…体位のこだわりはある?」
「ん…好きなのは正常位だけど…はぁん、気持ちよかったら割と何でも…んんっ…楽しめちゃうタイプです」
蕾のひだを撫でられたり、入口を押されたり…胸の先への愛撫みたいに丁寧にじっくりほぐされていく。
「環生は駅弁した事ある?」
「駅弁…?」
駅弁って繋がったまま抱き上げてもらうあの体位の事だよね…。
俺が宙に浮いてる状態で、下からズンズン突き上げられるアレだよね…。
ネットで見かけて興味はあったけど、経験した事はない。
「ううん…した事ないです」
「そう…初めての経験してみる?」
豪さんは俺の頰を撫でながら誘った…。
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