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第5章 第18話side.柊吾

〜side.柊吾(しゅうご)〜 「苦しい…もう食べられない…」 ごちそうさま…と、満足そうな環生(たまき)。 結局、環生は俺たちの膝の上を転々として、タコ焼きとケーキを交互に俺たちの手から食べたり、だらだらと取り止めもない事を話したり。 さり気なく今日の相手を探ったら、どうやら隣のアイツのようだ。 アイツは前にも環生を抱いたし、環生もいい人だって言い張ってたはずだ。 1度めはよくて、2度めで泣くほど合わないと思ったってどういう事だ…? もしかして最初は優しくしてその気にさせて、環生をヤリ捨てしたのか…? 考えれば考えるほど怒りがこみ上げてくる。 初対面の時からどうもアイツは気に入らなかった。 やっぱり感覚が違う奴だったんだ…。 俺の様子を察した環生は、ぎゅっと抱きついてきて小さく首を横に振った。 頭撫でて…と甘えてくるから、望み通りにする。 そんな事をしているうちに、あっという間に夕方になった。 手がかかる赤ん坊みたいだと思ったけど、それもまた可愛かった。 秀臣(ひでおみ)麻斗(あさと)が片付けを始めたから、俺は環生を連れて風呂へ。 いつもは麻斗と入るか、1人で入る環生。 でも、今日は見張りを兼ねて俺も一緒に入る。 お風呂で淋しくなって泣くかも知れないし、魔が差すかも知れないから…と、過保護ぶりを発揮した麻斗は俺を風呂係に任命した。 いつも環生と入ってるなら今日も麻斗が入ればいいと思ったけど、もしかしたらいつもは風呂でヤラシイ事をしてるのかも知れない。 麻斗と一緒に入ったら、環生がプレッシャーを感じるとでも思ったんだろうか…。 今日の環生は性的な触れ合いは求めてないだろうから。 湯船に浸かりながら体を洗う環生を眺める。 風呂は1人の方が気楽だと思っていたが、時々なら一緒に入るのも悪くない。 子供の頃、秀臣や麻斗とよく入ったな…。 昔を思い出して懐かしい気持ちになっていると、柊吾見て見て…と、楽しそうにぽっこりした腹を見せる環生。 普段の薄っぺらい体からは想像できないほど膨らんでいた。 痩せてる環生が当たり前だったけど、太った環生もきっといい。 抱き心地や揉み心地がよさそうだ…と、ぷにぷにの環生を妄想してニヤニヤしてしまう。 「柊吾のエッチ!そんなヤラシイ顔で見ないで///」 環生は完全に油断している俺の顔面に、冷水シャワーをかけたんだ…!

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