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第5章 第22話
「はい、おしまい。お疲れ様でした」
膿を全部絞り出して、軟膏を塗って…。
パンツを上げようと視線を移した時だった。
俺の視界を埋め尽くす秀臣 さんのお尻。
おできを潰すミッションに夢中で、あんまり気にしてなかったけど、かなり距離が近かった。
もし秀臣さんがオナラをしたら顔中に浴びてしまうレベル。
よくよく見たらこの光景もかなりエッチ。
股の隙間から大きな玉袋や、力なくぶら下がった秀臣さん自身が見える。
ど、どうしよう///
この角度から見るのは初めてだし、フニャフニャになってる秀臣さんの性器が可愛く見えてドキドキしてきた。
秀臣さんはいつもこんな感じで俺のお尻や性器を見てるんだ…。
秀臣さんを求めてヒクヒクする俺のお尻も、触って欲しくて硬くなった俺自身も。
秀臣さんを抱きたいとか、攻めに目覚めた訳じゃないから、俺にとってはただのお尻の穴。
可愛いとも舐めたいとも思わない。
でも、俺を抱く皆は可愛いとか美味しそうって言ってたくさん愛してくれる。
それってどんな感じなんだろう…。
ちょっとだけ皆の気持ちを知ってみたくなった。
おできのできてない方のお尻の柔らかそうな部分に口づけて、はむっと甘噛みしてみた。
「た、環生 …///」
秀臣さんの体がビクッと跳ねる。
反応が面白くて、蕾の部分にキスをしようと思ったら、あっという間に世界が逆転して、気づいたら秀臣さんが俺の上にいた。
イタズラできないように手を繋がれてしまう。
「環生、イタズラが過ぎるぞ///」
片手でパンツを上げながら秀臣さんが真剣な顔をするから、ついつい笑ってしまう。
「ふふっ…、ごめんなさい」
許して…と、繋がれた手をキュッと握ると頬を赤らめる秀臣さん。
「許すも何も…///」
照れながら体を起こしてベッドに座る秀臣さん。
またベッドに置き去りにされてしまうのが淋しくて、急いで起き上がる。
秀臣さんの隣に座って肩に頭を預けた。
「秀臣さん、甘えたくなっちゃったからこうしてて…」
「…こうしてるだけでいいのか」
「ううん…、本当は肩を抱いて欲しい」
不器用な温かい手が俺の肩に触れる。
それが心地よくて目を閉じた。
秀臣さんは俺がどうして欲しいかをちゃんと言葉にすれば望みを叶えてくれる。
それが例え唐突でワガママなお願いでも。
言葉は少ないけど温かい気持ちをくれる秀臣さん。
温もりに安心したらだんだん眠くなってきた。
このまま寝ちゃおうかな。
「今まで悪かった…。環生を抱く時、四つん這いにさせてあんなに恥ずかしい思いをさせてたんだな」
あ、さっきの事…気にしてたんだ…。
よほど恥ずかしかったのかな。
まぁ、普通は恥ずかしいのかも。
「ん…いいよ。俺、恥ずかしい事すると興奮するし、俺の事を可愛がってくれる秀臣さんになら体のどこだって見せられるよ」
今は見せないけど…って焦らしながら、夜にね…って言うと喜ぶ秀臣さん。
可愛いなぁ。
今の流れで、今すぐ見せるって言うと大喜びして覆いかぶさってくるのは柊吾 。
また今度見てね…って、『いつ』を限定しないでふわっとさせると微笑んでくれるのは麻斗 さん。
兄弟でも、皆それぞれ。
俺は…どうかな…。
俺は『今すぐ』でも『夜』でも『いつか』でも、タイミングはいつでもいいけど、『見てくれるか?』って聞いて欲しい。
『見ろよ』って言われると怖いし、『でも見せない』って意地悪されたら悲しくなってしまうから。
そう思うと、俺は皆に大切にされてるんだな…って改めて感じた。
いつも皆は『キスしていい?』とか『抱いていい?』とか、ちゃんと聞いてくれるし、無理強いは絶対にしないから。
「どうした、楽しそうだな」
「うん…、皆の事考えてた。俺って幸せ者だな…と思って」
嬉しい気持ちを伝えたくて、秀臣さんの手をそっと撫でる。
「…環生が幸せならそれでいい」
秀臣さんはそう囁くと、俺の手を優しく握ってくれた…。
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