150 / 420

第6章 第11話

柊吾(しゅうご)がお風呂から上がったから、今度は柊吾とのマッサージタイム。 柊吾にソファーにうつ伏せになってもらって、俺がすぐ側の床に座る。 「床に座ったら寒いだろ」 俺の上に乗れよ…って言うから、柊吾のお尻と太ももの間あたりに乗ると、満足そうな顔をする。 柊吾に触って欲しいから、後で俺もマッサージしてもらおうと思いながら、両手で腰に触れる。 特にこってるところもなさそうだから、何となく腰をさするだけ。 「なぁ、リクエストしていいか?」 「うん、いいよ。どこがいい?」 柊吾は肩甲骨のあたりを押して欲しいって言う。 エッチな柊吾の手口はお見通し。 俺を前のめりの姿勢にさせたいから。 肩甲骨を押す時に俺自身が柊吾のお尻に当たるようにしたいんだ。 気持ちよくなった俺がモジモジしながら擦りつけるのを期待してるに違いない。 「飛行機で移動したから疲れたでしょ。しっかり揉んであげるね」 ちょっと意地悪したくなって、わざと膝立ちになって柊吾から離れる。 肩甲骨のあたりに手を添えてグッ、グッと押していく。 「…何だよ、バレてたのか」 「当たり前でしょ。エッチな柊吾の考えなんてバレバレだよ」 そう言ってツボを強めに押すと、柊吾は悶えながらも仰向けになった。 「バレてるならいい。来いよ」 ほら…と甘い声で囁かれて両腕を広げられたら、嬉しくなって抱きついてしまう。 俺をぎゅっと抱きしめた柊吾は、髪に頬ずりをしたり、キスをしたり。 俺も柊吾の首筋あたりに鼻先を寄せて擦りつける。 あったかくて気持ちよくて、いいにおいがして眠くなってくる。 抱きしめ合うとドキドキして体が疼く日と、今日みたいにふにゃっと力が抜ける日があるから不思議。 今日はきっと1人で留守番してて、ちょっと緊張もしてたし淋しかったから、温もりを感じて安心したんだと思う。 柊吾は俺を抱きしめながら、背中をさすってくれる。 エッチな事をするつもりなら、スウェットの中に手を突っ込んできたりお尻を揉んだりするけど、今夜は違うみたい。 純粋に俺との触れ合いを楽しんでくれてる感じ。 瞳を閉じてされるがままになっていると、頭がふわふわしてきた。 「どう?環生、もう寝そう?」 お風呂上がりの麻斗(あさと)さんの声。 「ん…もう寝るだろ」 「そう…。このまま寝かせてあげて」 寝たら運ぶから…と、柔らかなブランケットがかけられる感覚。 ぼんやりと2人の会話を聞いていたけど、眠ってしまう前に麻斗さんとも話をしたい。 「麻斗さん…」 柊吾の上で体を起こす。 「起こしちゃったね、ごめんね環生」 そう言って肩から落ちてしまったブランケットをかけ直してくれた。 「俺…麻斗さんと寝る」 柊吾にありがとうのキスをすると、お返しにおやすみのキスをしてくれた。 「柊吾おやすみ」 今度はおやすみのキスをすると、きつく抱きしめられてちょっと濃厚なキス。 トクン…と胸が高鳴る。 後頭部に大きな手のひらを添えられてぐっと引き寄せられるのに弱い。 柊吾にされるちょっと強引なキスも大好き。 「カゼひくなよ。また明日な…」 柊吾はそう言って頭をポンポンしてくれた。

ともだちにシェアしよう!