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第7章 第12話
「流星群見えるかな…」
ここはマンションのベランダ。
上着に手袋&マフラーで完全防寒してるけど、風が強めでもう寒い。
「寒いだろ」
柊吾 が後ろから包み込むように抱きしめてくれる。
ドラマだったら胸キュンシーンのはずなのに、柊吾からニンニク臭がしてちょっと笑ってしまう。
柊吾が臭ってるって事は俺も同じくらい臭ってるんだろうけど。
そこはお互い様だし、今さら恥ずかしがる間柄でもないから気にしない。
「あっ、柊吾。見えたかも」
「ん、どこだ?」
「ほら、あそこ…」
時々見える流れ星。
でも一瞬で消えてしまう。
見えるうちに願い事しよう…と思って、今日神社で願ってきた事を心の中で繰り返す。
「そんなに真剣に何願ってるんだよ」
「ん…皆の幸せ」
「環生 は自分の幸せだけ願ってればいいだろ。環生が幸せなら俺たちは幸せだ」
「ありがとう、柊吾。でも、俺だって皆が幸せなら幸せだから…」
「何だよ、さっきから…」
可愛すぎるだろ…と、俺を抱きしめる腕に力がこもる。
ロマンチックな星空と冷んやりとした冬の空気と柊吾の温もり。
柊吾に『可愛い』って言われるのが好き。
ぎゅっと抱きしめられるのも大好き。
もっと言って欲しいし…甘えたくなる。
腕の中で体の向きを変えて柊吾と向き合う。
瞳を閉じてキスをねだると、当たり前のように重ねられる柊吾の唇。
外が寒いから触れる唇は冷たいけど、舌はとろけそうに熱い。
「ん…柊吾…」
「環生…」
ぎゅっと抱きしめ合って、夢中でお互いの舌の感触や温もりを楽しむ。
だんだん頭がふわふわしてきて、立っていられない。
もっと柊吾に触れたい、触れられたい…。
柊吾に支えてもらいながら見つめ合う。
柊吾もエッチな気持ちになってくれたかな…。
ドキドキしてるし、その気になってるけど、ふと頭をよぎるのはお互いが放つニンニク臭の事。
「環生、ニンニク臭すごいな」
「柊吾だって」
柊吾が吹き出すから、俺も一緒になって笑う。
「もう、笑わないようにしてたのに」
「悪い、悪い」
ひとしきり2人で笑った後、ふと柊吾が真面目な顔をした。
その瞳に胸がドキン…と大きな音を立てる。
そのまま耳をなぞられると、お腹の奥の方がキュウってなった。
「どうする、このままニンニク臭い新年初セックスするか?」
きっと来年も再来年もお正月を迎える度に今日の事を思い出す。
お正月早々、柊吾とニンニク臭たっぷりのセックスしたなぁって…。
思い出すとちょっとクスッと笑ってしまうような2人のいい思い出になるはず。
「する…。したい…」
俺は柊吾の手のひらに頬ずりをした。
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