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第7章 第14話(※)
「なぁ、環生 」
正常位で俺に覆いかぶさった柊吾 がゆるゆると腰を動かしながら、首筋や耳にキスをする。
ゆっくり中を撫でられるのも、耳元で名前を囁かれるのもくすぐったい。
「ん…なぁに?」
「環生が動いて気持ちよくしてくれよ」
「うん、いいよ…」
それが柊吾の望みなら。
繋がったまま抱き起こしてもらう。
そっと柊吾の胸を押して合図をすると、柊吾はそのままベッドに横になった。
上手くできる自信はないけど、騎乗位に挑む。
きっと柊吾なら下手でも喜んでくれるはず。
「手…繋いでて…」
柊吾に両手を握って支えてもらいながら、少しずつ上下に動かしてみる。
ローションで十分に潤んでて滑りもいいから、後は俺がコツをつかむだけ。
「どう…?柊吾」
様子を探りながら頑張っていたら、少しずつ慣れてきた気がする。
「あぁ、気持ちいい。環生のエロい顔も体も見放題だしな」
柊吾に見られてる。
触れて欲しくてぷっくりした胸の先も、張り詰めた雫が滴る性器も、気持ちいい顔も全部。
そう思うと体の奥が熱くなってきて、あちこち火照ってくるのがわかる。
恥ずかしいとますます興奮してしまうエッチな俺。
それを見ている柊吾の吐息も荒くなってくる。
「あぁん…ぁん…あっ、ぁ…柊吾…!」
ベッドのスプリングの弾みを利用して激しめに動く。
柊吾自身をいっぱい締めつけて扱きたいから、お尻にぎゅっと力を入れて。
ギシギシと軋むベッドの音や、繋がってる部分から聞こえる濡れた音が混じってねっとりと鼓膜を刺激する。
柊吾が悦んでくれるのはもちろんだけど、深いところで柊吾を感じられるのが嬉しいし、気持ちいいしもう止まらない。
張り切って動いていると、だんだん暑くなってくる。
真冬なのにこんなに汗をかくなんて。
このまま柊吾にイッて欲しい。
そう思うのに、ちょっと疲れてきて腰や太もものあたりが重くなってきた。
上手く体が動かせない。
柊吾はいつもこんなに頑張って俺を抱いてくれてるんだ…。
最後の力を振り絞って腰を振っていると、背中がゾクッとした。
「…っくしゅん!」
汗をかいた体が部屋の空気に冷やされて寒くなってきた。
能動的にするセックスってこんなに大変なんだ…。
「環生、来いよ。あっためてやるから」
もう充分だ…と満足そうな顔。
嬉しくなってそのまま柊吾に覆いかぶさる。
「ありがとな、環生…」
すぐに背中に布団を掛けてくれた柊吾は、ぎゅうっと俺を抱きしめて顔中にキスしてくれる。
労るように腰や太ももを撫でられると、痛みが和らいでいく気がする。
「布団かぶると環生のにおいがこもっていいな」
「柊吾のにおいもするよ」
「ニンニクの臭いもな」
「…だね」
可笑しくてふふっと笑い合う。
柊吾の耳の裏に鼻先を寄せて甘える。
前は生の柊吾、後ろは布団についた柊吾のにおいにサンドイッチされてると思うと幸せも2倍。
柊吾は俺を抱きしめたまま腰を動かし始めた。
さっきみたいにイカせない動きじゃなくて、俺をイカせる気満々の腰づかいで。
「あっ、あぁん…だめ…!」
とろけた俺の声を聞いた柊吾は、ますます張り切り始めた。
騎乗位中の柊吾も嬉しそうだったけど、今の柊吾はもっと嬉しそう。
俺を悦ばせるために、汗だくになって俺を愛してくれる。
「気持ちいいか、環生」
柊吾は指先で俺の胸に触れる。
つついて、つまんで、こねて、引っかいて…俺の好きな触れ方ばかり。
「はぁん…あっ、気持ちいい…」
悦んだ俺の体はもっと柊吾の熱を欲しがってぎゅうぎゅう締めつける。
舌を絡めて熱を共有すると、もうイキたくてたまらない。
お腹の裏側の気持ちいいところをもっと擦られたい。
「環生…いいか…」
「うん…いいよ。柊吾も…?」
「あぁ」
同じタイミングなのが嬉しい。
ぎゅっと抱きついて、柊吾に身を委ねる。
このまま柊吾に気持ちよくして欲しい。
柊吾は一瞬動きを止めた後、俺の前立腺目がけてズブッと体を押し込んだ。
「柊吾イク…!お尻でイッちゃう。あぁぁんっ」
ビクビクと体を痙攣させて達する俺を見た柊吾は、愛おしそうに俺を見つめながら幸せそうに笑う。
俺も気持ちを伝えたいのに、頭がボーっとして上手く伝えられない。
「環生、俺もイクぞ」
そうつぶやいた柊吾は俺の体をきつく抱きしめながら、俺の一番奥で果てた…。
セックスの後はいつもの腕枕。
柊吾の肌の温もりや俺の肩を抱く優しい手が心地いい。
この腕枕が幸せで柊吾とセックスしたいな…って思うほど。
こんなに温かくて優しい気持ちで1年をスタートできて嬉しい。
「今年もいっぱい気持ちいい事しような、環生」
「うん、いっぱいしようね。柊吾」
新年早々、ニンニク臭たっぷりの濃厚セックスをした俺たちは、微笑み合ってまた唇を重ねた。
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