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第7章 第37話

あっという間に2月も最終週。 柊吾(しゅうご)の試験も無事に終わったし、誠史(せいじ)さんも柊吾の受験を見届けた後、『また環生(たまき)に会いにくるよ』と告げて帰っていった。 後は3月上旬の柊吾の結果発表を待つばかり。 「柊吾…またイッちゃう…。ぁ、あぁんっ!」 「俺もイクぞ、奥に全部出すからな。…んっ…」 最近、柊吾の夜が激しい。 今夜も2回戦を終えたところ。 受験勉強でずっと我慢していたのが解放されたからか、結果が気になって落ち着かないのか…性欲大爆発で、とにかくすごい。 昼間は所かまわずキスしてくるし、隙があるとすぐお尻に股間を擦りつけてくる。 夜は夜で激しい、濃い、長いで、なかなか寝かせてもらえない。 ほぼ毎日となると腰も痛いし体も怠い。 朝は『もうしたくない。今日こそゆっくり寝たい』って思うけど、夜になると自分から柊吾のベッドに潜り込んでしまう。 だって柊吾の側は心地いいから。 俺が欲しがるより先に俺を欲してくれるのは柊吾だけ。 求められる喜びを与えてくれるのは柊吾だけ。 淋しがりやでエッチな俺を『もう充分!』って思うほど満たしてくれるのは柊吾だけ。 俺に覆いかぶさって一生懸命胸を舐めてくれる時に、柊吾の髪が顎に触れるのが好き。 ふわっと香る髪のにおいが好き。 柊吾はいつもカッコイイし、俺を守ってくれるけど、この時は柊吾を可愛い、守りたいって思ってしまう。 そんな幸せな気持ちをたくさんくれるから、つい柊吾の部屋へ行ってしまう。 もしかしたら柊吾中毒なのかも知れない。 「はぁ…」 「何だよ、した後にため息つくなよ」 俺を腕枕におさめた柊吾は不満そう。 「…俺ね、柊吾中毒なのかなぁと思って。柊吾がいないと満足できない体になっちゃったのかも…」 「ん?中毒だと何か問題でもあるのか?」 不思議そうな柊吾の顔。 「柊吾がいてくれさえすれば特にはないけど…。何となく中毒とか依存症ってマイナスっぽいイメージだから」 「ふーん。環生が何に不満を感じてるのかよくわからないけど、『中毒』が嫌なら『漬け』でいいだろ?野菜もマグロも漬ければ美味くなる」 俺漬けの環生、何かエロいな…なんて言いながら俺の下唇を指で撫でた。 確かにお漬物も漬け丼も美味しい。 中毒よりは前向きな感じもする。 捉え方次第…なのかな。 「柊吾漬け…。ちょっといい気がしてきた」 「だろ?俺も環生漬けだし一緒だな」 柊吾は嬉しそうに俺の髪を指に絡めて遊び始めた。 「…どうしてそんなにご機嫌なの?」 「ん…、環生が俺の事を気に入ってるってわかったからな」 また俺に覆いかぶさりながら、首筋にキスを始めた柊吾。 「えっ、柊吾またするの?」 「嫌か?」 俺の気持ちを探るような柊吾の瞳。 「ううん、嫌じゃないけど…」 「嫌じゃないなら何だよ」 安心したらしい柊吾はおかまいなしに俺の鎖骨に舌を這わせていく。 昨日もしたし、さすがに一晩で3回は…と思う。 頭ではそう思ってるし、心も体も満たされてるはずなのに、柊吾に求められると条件反射のように体の奥が疼き出す。 エッチな事が大好きで、欲張りで柊吾漬けで、柊吾に愛されて悦ぶ俺の体。 「何でもない。柊吾といっぱい気持ちいい事したい」 「ん…。朝までしような、環生」 さすがに朝までは無理だし、朝までしたら色々枯れちゃう。 そう思うけど、俺の体や手に触れる柊吾の手は優しくて温かくて…。 きゅっとその手を握った俺は、幸せな気持ちで身を任せた…。

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