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第8章 第4話(※)side.柊吾

〜side.柊吾(しゅうご)環生(たまき)がイチャイチャ甘々のまったりセックスがしたいと言い出した。 優しく可愛がって欲しいなんて甘えん坊の環生らしい。 確かに最近は激しめが多かったから、今夜は環生の望み通りにしてやろう。 でも、きっと途中でもどかしくなって、もっとしてって言うはずだ。 環生は自分が思ってる以上に性欲旺盛で、快楽に溺れるのが好きだ。 とりあえずは優しく丁寧に…を心がけて顔中を撫でる。 産毛の生えた狭いおでこ。 セックスの時はとろけて潤みがちな二重の瞼。 感じやすい薄くて小さな耳。 高くも低くもなくて、さほど特徴はないのに可愛く見える鼻。 恥ずかしいとすぐ赤くなる滑らかな頬。 可愛い事ばかり言って、キスして欲しがる甘い唇。 ここへ来た時より少し緩やかになった顔の輪郭。 環生の何がそこまで俺を駆り立てるのかわからない。 俺だけじゃない。 父さんも秀臣(ひでおみ)麻斗(あさと)も環生に夢中だ。 それから、秀臣の恋人の藤枝(ふじえだ)さんも環生の魅力にやられた1人。 藤枝さんが環生に手を出したのを知っている。 直接確認しなくても、環生の態度を見ていれば一目瞭然だ。 俺に口を出す権利がないのは承知の上だが、大切な環生を横取りされたみたいで面白くはない。 環生から何か惚れ薬みたいな特殊なフェロモンでも出てるのか…?と、本気で不思議に思う。 「あったかくて気持ちいい」 リラックスして瞳を閉じる環生を見ているだけで、ムラムラしてきて俺の体は火照ったように熱くなる。 覆いかぶさって、首筋にむしゃぶりつきたくなる衝動を抑えながら、撫でた順に口づけていく。 「柊吾…くすぐったい」 ふふっと笑いながら環生からもキスしてくる。 キスを受けるのは上手いのに、自分からしてくる時はさほど上手くない。 まるで愛されるためだけに存在しているような環生。 その環生が一生懸命してくるキスは可愛くてたまらない。 「環生…いいか」 「うん…」 脱がせて…と言わんばかりに両手を上げるから、スウェットの下に着ていたTシャツごと脱がせて、どさくさ紛れに覆いかぶさる。 環生が枕のしっくりくる位置を探っている間に手早く脱いだ。 「柊吾が脱ぐところ見たかったのに」 軽く膨らませた環生の頬に口づけながら、丁寧に体に触れる。 温めるように肩を撫でたり、手を握ったり。 「ふふっ、幸せ。気持ちいい」 ふにゃふにゃと満足そうに笑うから、俺もつられて笑う。 環生の笑顔を見ると、ささくれ立った心が丸くなって、穏やかな気持ちになっていく。 さっき腹を立てていた藤枝さんにさえ、環生のこの可愛さを至近距離で浴びたら手も出るよな…と仲間意識を感じるほどに。 「環生…」 角度を変えながら何度もキスをしていると、だんだん環生の吐息が熱を帯びていく。 唇で首筋や鎖骨をなぞると、少しずつ揺れ始める華奢な腰。 続きをして欲しそうに俺の手を自分の左胸へ導く環生。 淡いピンク色の先端をつついて、揉んで引っかくと環生の瞳がとろける。 右胸は舌先で転がすように舐めて吸うと、柔らかかった右胸の先も尖ってくる。 「はぁん…柊吾…」 腰をくねらせながら感じる環生のヤラシイ姿。 オカズにして一発抜けそうなくらい腰にくる。 「気持ちいいか、環生」 「うん…気持ちいい」 環生は俺の腰に脚を絡めて引き寄せると、大きくなった下半身を俺自身に擦りつけ始めた。 俺を誘惑するかのような大胆な腰づかいに、俺の興奮も増してくる。 「あぁっ…すごい…。柊吾の硬いのでもっとグリグリして…」 優しいまったりセックスを望んでいたはずなのに、すぐに飛び出した『もっと』。 欲張りな環生の『もっと』が聞きたくて、『もっと』を叶えたくて俺は全力で環生に尽くす。 「ん、待ってろ…」 スウェットとパンツを丸ごと脱がせて、プルン…と飛び出した環生自身にローションを垂らしてやると、ビクンと体が跳ねた。 全部脱いだ俺は、ガチガチに勃った先端でローションまみれになった可愛い環生をなぞってやる。 「やぁん…柊吾の先、硬い…」 「見ろよ、環生。先走りとローションが絡まって糸引いてるぞ」 「すごい…トロトロ…」 卑猥な光景を目の当たりにした環生は興奮した様子で凝視している。 そろそろ後ろも疼き始めた頃だ。 指先でローションをすくって、そっと環生の蕾に触れる。 「あっ…待って…」 言葉とは裏腹。 待ち侘びたように俺の指先に吸いついた。 指先に力を入れると、奥へ誘い込むようにのみ込んでいく。 「相変わらず環生の中は甘えるようにくっついてきて可愛いな」 誉めてやるとキュウっと絡みついてくる。 ベッドの中で見る環生のはにかむ顔は格別だ。 「こっちは俺がするね」 環生は2人分の性器を両手でまとめて握ると、ゆっくり扱き始めた。 俺は環生のする兜合わせが好きだ。 環生の手コキとオナニーが同時に拝めるから最高だ。 言ったら『柊吾のエッチ!』って怒って2度とやってくれないだろうから、これは俺だけの秘密だ。 この兜合わせにもバリエーションがあって、自分が気持ちよくなりたい時は自分の方ばかり扱くし、俺の感じる姿を見たい時は俺を重点的に扱く。 これでイク気の時は扱きながら、先端を手のひらでくるくる円を描くように撫でる。 今日はどっちだ…? 「…っ…環生…」 「はぁ…エッチな声…。もっと聞きたい」 うっとりした表情で嬉しそうに俺側をメインで扱く環生。 環生は俺の感じる声を聞くのが好きだ。 ふと、前にしたテレフォンセックスを思い出した。 あの時もこんな顔してたんだろうか…。 「今日の環生すごいな。このままされたらすぐにイキそうだ」 「えっ、そんなのだめ…。まだイッちゃだめ」 慌てた様子で手を動かすペースを緩める環生。 いつもなら俺をイカせようと、さらに張り切って扱こうとするのに。 「何だよ、焦らすなよ」 「だって…柊吾の精液、俺の中に注いで欲しいけど、かけても欲しい…。まだどっちにするか決めてないからだめ…」 中出しで体の中を満たされて感じるのも、精液をかけられて視覚的に感じるのも好きな環生。 どっちにするか決められないなら、どっちもしてやろう。 それが環生の望みだ。 「両方してやるから心配するな」 「本当?嬉しい」 大喜びした環生は、ローションを追加して先端を撫で始めた。 とりあえず2回イキは確定だな…。 今日の環生の感じだと、絶対2回で済まないだろ…と思いながら、環生もイケるように中のイイところを探る。 「んっ…ぁ、あぁん…ん…柊吾…」 環生のヤラシイ声と、淫らな手つきにクラクラする。 もういつ弾けてもおかしくない。 こんなに感じてるのに、手を休めず頑張り続けるなんて可愛いな…と思って視線を移すと、環生は俺ばかりをいじっていた。 「あっ、待て。環生…」 「やだ、待たない。柊吾のイクところが見たいの」 イタズラっ子のように笑った環生は、俺をイカせるための動きに変えた。 興奮で潤む瞳に見つめられると、それだけで持っていかれそうになる。 「環生…だめだ、もう…」 「いいよ…。イッて、柊吾…」 「いいのか…」 「うん、いっぱいかけて…」 環生は期待を込めた眼差しで俺を見つめながら、俺の先端を自分の方に向けた。 何だよ、それ…。 そんな可愛い事されたら全力でかけるしかないだろ…。 「イクぞ、環生。全部環生にかけるぞ…。しっかり見てろよ……っ…んあっ…」 俺は環生をじっと見つめながら、環生の体目がけて射精した…。

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