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第8章 第14話(※)

「な、何を言うんだ、環生(たまき)」 二輪挿しをおねだりした俺に明らかに動揺した様子の秀臣(ひでおみ)さん。 「いつも1人分を受け入れるのにやっとだろう」 「それは…そうだけど…。でもしたいの」 「環生は二輪挿しした事あるの?」 「ううん、ない…。でも、大丈夫」 根拠はないけど、秀臣さんと賢哉(けんや)さんとならできる自信があった。 二輪挿しをしてくれたら、俺もきっと気持ちいいし、2人もお互いの性器が触れ合って気持ちいいと思う。 恋人同士だけど、タチの2人はきっとセックスはした事ないはず。 でも、二輪挿しで俺の体を仲介したらセックスっぽい事ができるかも。 2人の愛を深める事ができるかも知れない。 「無理だと思ったらちゃんと言うから…。お願い、俺…大人の階段をのぼってみたいの」 「それとこれとは別問題だ…」 秀臣さんは困ったような呆れたような…そんな顔。 きっと俺が突拍子もない事を言ったから戸惑ってるんだと思う。 「賢哉、何とか言ってくれ。上手く言葉にならない」 「落ち着け、秀臣…。秀臣の気持ちもわかるが、環生は僕たちのために言ってくれているんだよ。秀臣は環生と僕が2人きりで愛し合っているのを穏やかな気持ちで見られる自信があるか。それに環生が初めてを捧げようとしてくれるんだ。光栄な事だよ」 賢哉さんは秀臣さんの髪に触れながら丁寧に伝えていく。 秀臣さんは賢哉さんの言葉を聞きながら少しずつ自分の中で状況と気持ちの整理をしていってるんだと思う。 保科(ほしな)家の中では一番年上で皆のお兄さんの秀臣さんだけど、賢哉さんの前では年下感があって、そのギャップにニヤニヤしちゃう。 「…すまない、環生。そうだったのか…」 「えっと…、俺はただ…皆で仲良く楽しい時間を過ごせたらいいなって思って…」 2人の手を胸元に引き寄せてぎゅっと握った。 3人一緒に…を伝えたかった。 「賢哉と2人で環生を抱いてもいいのか?」 「うん…抱いて…。3人で気持ちいい事したい」 秀臣さんと賢哉さんは優しい眼差しで俺を見つめながら、うなずいてくれた。 それからは甘々なキスをしながら、どうやって体を繋げるかの相談タイム。 秀臣さんの性器の方が太いし、俺が緊張しなくて済むよう、最初は慣れている秀臣さんに挿れてもらう事になった。 心臓のドキドキを感じながら、段取り通り仰向けに寝そべった秀臣さんの下半身にまたがった。 ふうっと深呼吸をする。 賢哉さんに体を支えてもらいながら、騎乗位で秀臣さんと繋がった。 「あぁん…」 自分の重さの分、一気にズブっと奥深くまで入ったから、思わず声を漏らしてしまった。 もうこれだけで気持ちいい。 このまま腰を振ってしまいたい。 「大丈夫か、環生」 心配そうな秀臣さんが手を握ってくれる。 「うん、大丈夫。ありがとう」 そのまま胸を重ねるようにして、秀臣さんにぎゅっと抱きついた。 いつもの秀臣さんのにおいや肌触り。 「環生の体は温かくて気持ちいい」 前髪をかき分けておでこにキスをしてくれる秀臣さん。 蕾のほぐれ具合を確かめるように、ゆるゆると腰を動かし始めた。 「はぁん…気持ちいい…」 もっと可愛がって…と、ねだるように中が秀臣さん自身にまとわりついていく。 「秀臣がみっちり入っているのに、環生のここはヒクヒクして僕を誘っているように見えるよ」 可愛いね…と、賢哉さんが、秀臣さんと俺の繋ぎ目を指でなぞった。 くすぐったいような気持ちいいような不思議な感覚にゾクゾクする。 賢哉さんに秀臣さんと繋がってるお尻が丸見えなのは恥ずかしいけど、その羞恥心が興奮材料。 きっと俺…今、エッチな顔したんだと思う。 秀臣さんが頬を染めたし、体の中の秀臣さん自身がビクッとなったから。 賢哉さんはその先を望む俺の蕾にゆっくりローションを塗ってくれたり、小刻みに撫でてくれたり。 『可愛い』って言いながら、緩急のある指の動きで丁寧に体の準備をしてくれた。

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