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第8章 第15話(※)

環生(たまき)、もうそろそろ大丈夫。しっかりほぐれたよ」 「はぁん…。ありがとう、賢哉(けんや)さん」 賢哉さんの指と、秀臣(ひでおみ)さん自身で念入りにほぐされた俺の蕾。 賢哉さんの絶妙な指づかいに翻弄されて喘いでいるうちに、いつの間にか入る指が増えていた。 「環生…挿れるよ…」 「うん…」 賢哉さんが俺のお尻に手を添えて、そっと下半身を近づけてくる気配。 初めての経験は楽しみだけど、ちょっと怖い。 痛かったらどうしよう…。 なるべく力を抜いて挿入を待つけど、緊張で体が強張ってる気がする。 「環生、大丈夫だ。俺を見ていればいい」 挿れたまま動けなくて辛いはずなのに、優しい言葉をかけてくれる秀臣さん。 その甘い眼差しに胸がキュンとなる。 「うん、ありがとう。秀臣さん…」 キスして…と、唇を重ねると、背中や腰に触れながらついばむようなキスを何度も何度もしてくれた。 「んっ…あぁっ…」 お尻で感じる賢哉さんの圧迫感と温もりと…少しの痛み。 思わず全身に力が入ってしまう。 「大丈夫だ、環生」 秀臣さんは俺の気をそらすようにキスをしながら、胸の先をつまんだり、擦ったりしてくれる。 「環生、あと少し。もう少しで先が入るよ」 「う、うん…」 きっと今、先端が入ってる最中なんだと思う。 一番太いところが入りさえすれば、後は楽になれるはず。 賢哉さんの先端はちょっと上向きだったから、もうちょっとお尻を上げた方がいいのかな。 はぁ…と大きく息を吐きながら角度を調節すると、さっきより進みがよくなって、賢哉さんを近くに感じた。 「はぁ…環生、入ったよ」 痛くない?…と愛おしそうにお尻を撫でてくれる。 「うん…。すごい圧迫感だけど痛くないよ。2人に満たされてる気がして嬉しい」 振り向いてうなずくと、賢哉さんが嬉しそうに微笑んでいた。 「2人は…?辛くない?」 「あぁ、環生も賢哉も温かい」 「僕も嬉しいよ。環生を抱けたのも、秀臣と愛し合えている感じがするのも」 よかった、2人が喜んでくれて。 胸がジーンとあったかくなる。 このまま一緒に3人の仲を深めたい。 「ん…っ…」 最初の予定通り、秀臣さんがゆっくり腰を動かし始めた。 俺の様子を見ながら、本当に少しずつ。 隙間がないくらい2人でいっぱいの俺のお尻。 動きに合わせて秀臣さんの張った先端が内壁をズズズっと擦っていく。 「あっ、秀臣さん待って…」 このままだと前立腺に当たりそう。 今、あのシコリを擦られたら、頭が真っ白になってすぐにイッちゃう。 「待てないな。環生をイカせたい」 欲情してギラついた秀臣さんの瞳。 ジワジワと近づいてくる絶頂の予感に、胸もお尻も疼いてしまう。 「せっかく環生の初めてをいただくんだから、忘れられないセックスをしよう」 賢哉さんはそう言いながら抜群の指づかいで俺の両胸をいじり始めた。 胸だけでもイケそうなくらい気持ちいい。 「だめ…待って、イッちゃう…」 「俺たちでイクんだ、環生」 秀臣さんは俺の体を固定するようにぎゅっと抱きしめると、グッと体を押し込んだ。 「だめぇ、イッちゃう…。はあぁぁぁんっ!!」 2人にサンドイッチされたまま絶頂を迎えた俺は、上体を支え切れなくて秀臣さんの体の上に崩れ落ちた。 汗ばんだ秀臣さんの肌が頬に触れる。 いたわるように抱き寄せてくれる優しい腕。 「可愛かったよ、環生」 賢哉さんは体を繋げたまま、うなじにそっとキスしてくれた。

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