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第8章 第19話(※)side.柊吾

〜side.柊吾(しゅうご)〜 「環生(たまき)…」 頬に手を添えたまま口づけると、すぐに環生が舌を絡めてくる。 まるで俺の気を引こうとするようなヤラシくて濃厚なキスだ。 「んっ…はぁ…柊吾…」 抱いて欲しそうに俺の手を引くから、キスをしながら環生に覆いかぶさる。 俺も環生が恋しかった。 次の日に朝一番で講義がある夜は、一緒に眠るだけだったし、『大人化計画』とか何とか言って、俺の部屋に来ない日も増えた。 「環生…」 小さな耳や透き通るように白い首筋にキスをしてパジャマがわりのロンT越しに胸を撫でると、すぐに吐息が甘くなる。 薄い素材だから刺激がすぐに伝わるし、胸の先が硬くしこり始めたのも丸わかりだ。 すっかり発情した環生は自分で着ている物を脱いでいく。 いつもは俺が脱がせてやるのをじっと待っているのに。 それだけ俺を欲しがっているのかと思うと、満たされる気持ちがした。 あっという間に全裸になった環生は、脚を大きく開いて俺を誘う。 「こんなに脚開いたら辛いだろ」 真っ白で傷一つない環生のキレイな太ももを優しく撫でて脚を閉じるように促した。 特別体が柔らかくない環生はこんなに脚を開けないはずだ。 無理して関節を痛めたらかわいそうだ。 「大丈夫…。もっと見て…」 環生は自分の両手で太ももを抱えると、蕾が丸見えになるような体勢になった。 いつもは頑張って開いている感がある脚。 今日はいくらか楽そうだ。 「…まさかお前、ストレッチって…」 「だめ、恥ずかしいから言わないで」 環生がストレッチをしている理由。 きっとこうやって俺を誘うためだ。 「俺とするためだったのか?」 「言わないでって言ったのに…」 否定しないのは肯定の証。 環生は俺とセックスするために、わざわざ体が柔らかくなるようなストレッチをしていた。 俺のために…。 その事実だけで体が熱くなる。 そんな環生が可愛くて、小さな蕾に口づけた。 激しめに舐め回すと、挿れて欲しそうにヒクヒクし始めた。 「あぁん…もっと…。もっと舐めて…」 いつもは恥ずかしがるのに、今日の環生は貪欲だ。 俺は環生の『もっと』が好きだ。 環生の『もっと』を叶えてやった後に、幸せそうに微笑む環生を見るのが好きだ。 舌だけで体の準備をしてやるつもりで、舌先を差し込んだり、挿れた舌で拡げたり。 しっとり濡れた環生自身を扱くと、腰がビクビクッと跳ねた。 「俺も柊吾を舐めたい」 俺をベッドの真ん中に座らせた環生は、脚の間に身を屈めてフェラを始めた。 いつもより激しめだし、舌づかいも大胆だ。 環生が吸い付く時にペコッと窪む頬も、頬の内側に押し当てた時に、むにっと膨らむ頬も可愛くてたまらない。 俺を気持ちよくしようと一生懸命な姿。 「なぁ、どうしてそこまで頑張るんだよ」 環生の髪を撫でながら聞くと、環生は顔を上げてじっと俺を見つめた。 「内緒」 「内緒って何だよ。隠し事するなよ」 「…じゃあ、30秒キスしてくれたら教える」 「わかった、今すぐするぞ」 濃厚な前戯をしていたはずなのに、じゃれてくる環生も悪くない。 すぐに一つになるのもいいけど、こんな優しい時間も好きだ。 環生の背中に手を添えると、体を起こした環生はそっと瞳を閉じる。 このキス待ち顔もなかなか可愛い。 抱き寄せて唇の周りに触れるか触れないかのキスをしてやると、環生も同じ事をする。 愛おしくて思わず笑うと、環生も一緒に笑う。 今度はゆっくり唇を重ねた。 そのままカウントを取るように、指先で背中をトントンしながら触れるだけのキスを続ける。 穏やかで幸せな30秒。 何となく離れがたくて1分くらいそのままだった。 「そんな優しいキスされたらドキドキしちゃう」 恥ずかしい…と、両手で顔を隠す環生の耳は真っ赤だった。 「キスしたから教えろよ」 わざと耳元で囁いたら、もっと赤みを帯びた耳。 そのまま甘噛みしてやると、環生は顔を隠すように俺の首筋に顔を埋めた。 「早く…柊吾に帰ってきて欲しいから…」 小さな声でつぶやくと、きゅっと俺にくっついた。

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