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第8章 第24話(※)
「秀臣 の下着モデルの時はよく触れ合っていたのに、改めて…となると、新鮮な気持ちだね」
触れるだけのキスをしてくれた賢哉 さんが髪にもキスをしてくれる。
「うん…、ドキドキする」
でも、嬉しい…と伝えて俺からもキスをする。
「環生 は可愛いな」
賢哉さんは俺を抱き上げようとするから、首を横に振った。
「どうして?ベッドは嫌?」
「ベッドが嫌とかじゃなくて…ここで抱いて欲しいの」
賢哉さんのにおいのするベッドもいいけど、さすがに新居のベッドにお邪魔するのはためらわれる。
それに、いつも仲良く過ごしてるこのソファーで抱かれたかった。
「…遠慮させてしまうのは心苦しいよ。環生専用のベッドを買おうかな」
「そ、そんなの申し訳なさすぎるから買わないで」
慌てる俺を見て賢哉さんが冗談だよ…と笑う。
でも瞳は全然笑ってなかったから、近々、布団セットが用意されるんだと思う。
賢哉さんと俺…専用の。
「どんなシーツにしようか。無地、ストライプ…それともチェック…」
賢哉さんは俺に覆いかぶさりながら楽しそうに話を進めていく。
ほら、やっぱり。
もう買う気満々だし…。
「賢哉さんが選んで…。賢哉さんの全てに包まれたい」
きっと止めても聞いてくれないだろうから、前向きにあきらめて自分の気持ちを伝えた。
賢哉さんは何色を選んでくれるんだろう。
せっかくなら抱かれる相手の色に丸ごと染まってみたい。
自分1人ではなれない色になってみたいと思った。
「わかった。次までに用意しておくよ」
すっかりその気になった賢哉さんは、嬉しそうに俺の首筋や鎖骨に口づけていく。
明らかにご機嫌な賢哉さん。
いつもよりちょっと幼い感じがして、何だか可愛い。
思わず頭をナデナデしてしまった。
「環生…どうして?」
「えっと…。皆といる時より子供みたいで可愛いな…って思ってつい…」
「僕だってたまには気を抜きたい時もあるよ。でもおかしいね、一回り以上も年下の環生の前で」
「ううん、頼って欲しい。俺も賢哉さんに何かしてあげられる事があると思うと嬉しい。もっと賢哉さんに何かしてあげたい」
何かない?…って聞くと、賢哉さんは少し考えるそぶりを見せた。
「せっかくだからお言葉に甘えようかな。大人の環生は僕の願いを叶えてくれる?」
「うん…いいよ。なぁに?」
賢哉さんはワクワクする俺の耳元で願い事をそっと囁いた。
それを聞いた途端、体がカァッと火照る。
「……っ、恥ずかしいからだめ…」
「今『いいよ』って言ったのに?」
「…うん…言った…。言ったけど…」
照れてモジモジする俺を楽しそうに見つめる賢哉さん。
賢哉さんの意地悪。
俺に無理難題を言って反応を楽しんでるに違いない。
賢哉さんがそのつもりなら俺だって…。
「賢哉さん…。環生のエッチな乳首…触って…」
自分で着ていたカットソーの裾を上げて胸をチラ見せしながら上目づかいでおねだりしてみせた。
これが賢哉さんの願い事。
このセリフで僕を誘惑してみて…って。
一人称を自分の名前にするのも、胸を『乳首』って言うのも恥ずかしい。
でも、せっかく頑張るんだから賢哉さんに興奮して欲しい。
俺の事を今すぐ抱きたいって思って欲しい。
「環生…想像以上に可愛いよ。録音しておけばよかったかな」
「そ、そんなのだめ。恥ずかしすぎる…」
「環生は恥ずかしいのが好きなのに?」
お腹の奥の方が疼いてしまいそうな甘い声で囁いた賢哉さんは満足そうに左胸の先を指でつついた。
体に電流が走ったみたいな感覚。
そのまま押しつぶすようにこねられると、下半身がみるみるうちに反応してしまう。
「んっ…ぁ…気持ちいい…」
待ち焦がれた胸への刺激につられて、いつもよりすぐに硬く大きくなってしまった気がする。
右胸もして欲しくてウズウズする。
まだ触れられてもいないのに、存在を主張するようにツンと勃ってしまった。
賢哉さんは俺の反応を見ながら左胸に愛撫をしてくれるだけ。
抱きついて右胸を賢哉さんの体に擦りつけようとしても上手くかわされてしまう。
俺が欲しがってるのを知ってるのにわざと触れてくれない賢哉さん。
きっとさっきみたいなエッチなおねだりをしたら右胸も気持ちよくしてくれるんだ…。
頭ではわかってるけど、全部賢哉さんの筋書き通りでちょっと悔しい気がする。
でも今はそれよりも快楽に溺れたい。
体の疼きを何とかして欲しい。
「賢哉さん…。賢哉さんのあったかい舌で、環生の右の乳首も舐めて…」
うわぁ、言っちゃった…。
お昼間からこんなエッチな事言っちゃったよ…!
体中の血が沸騰してしまいそうな程恥ずかしい。
「エッチで可愛いよ、環生。もっと聞かせて」
「…環生の左の乳首も、指でカリカリして…。乳首だけでイカせて…」
体を持て余した俺は、賢哉さんに誘われるまま淫らな言葉で続きをせがんだ。
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