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第9章 第3話
GWも終わって世の中が落ち着いてきた今日この頃。
相変わらず俺は推し活に夢中。
皆も俺が香川 さんに夢中になってるのを温かく見守ってくれている。
1日置きに更新されるSNS。
皆に喜んで欲しくて、そのメニューを食卓に並べるようになったし、投稿と同じような食器や箸、小物が欲しくなった。
雑貨屋さんやデパートに行って似たような食器を探すようになった。
預かってる生活費を使い込む訳にはいかないから、推し活は自分のお給料で。
これと言った趣味もないし、保科 家に住むようになってから必要な物は全部支給されていたから、ほぼ丸ごと手付かずのままのお金。
コツコツ貯めていて本当によかった。
ある日の事、麻斗 さんが、お客さんからもらったんだけど…と、近くのショッピングモールで開催されるトークショーのチケットをプレゼントしてくれた。
無料のイベントで立見もできるけど、チケットがある人は舞台正面の座席に座れるし、彼がプロデュースした布製のコースターがもらえるらしい。
まさかそんなチャンスに恵まれるなんて思ってなかったから嬉しくてたまらない。
彼に会いたい。
彼の話を聞いてみたい。
こんなに週末が楽しみになるなんて初めての経験だった。
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