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第9章 第12話(※)side.誠史

〜side.誠史(せいじ)〜 「はぁ…気持ちよかった…」 達して、くたっと脱力した環生(たまき)を抱きしめる。 深い呼吸を繰り返す環生は、ぼんやりとした表情で俺を見つめる。 華奢な体は絶頂の余韻で時々ピクッと反応した。 「俺の腕の中でイッた環生は最高に可愛いなぁ」 腕枕をして、空いた手で二の腕を撫でるとまたビクンと跳ねる敏感な体。 さり気なく確認すると、環生は射精をしていなかった。 抱く度に感度が上がり、色気を増す環生。 ほぼ胸だけでイケるほどに開発された若い体。 おそらく息子たちとの行為で磨かれた体だ。 「ありがとう。ドライでイクとね、ずっとふわふわ気持ちいいの」 幸せそうに俺に抱きついてくるその表情も仕草も可愛らしい。 愛されたがりの環生は、きっとこれだけで満足はしていないんだろうが。 「ふわふわ気持ちいいところに、さらに気持ちいい事をしたらどうなるんだい?」 「…うーん、気持ちよすぎて気絶しちゃうかも」 ふふっと笑いながら俺の鎖骨をゆっくり撫でる。 その手つきはまるで誘っているようだ。 「試してみるかい?」 「ううん…。気絶したら最後までできなくなっちゃうから…」 誠史さんと2人で気持ちいいのがいいの…と、俺の顎に唇を寄せてくる。 「どうして環生はこんなに可愛いんだろうなぁ」 「…どうして誠史さんはこんなに素敵なんだろうなぁ」 俺の口真似をしながらクスクス笑うから、そっと抱き寄せる。 「俺は環生の幸せそうな笑顔が好きだよ」 「…ありがとう誠史さん。俺はね、俺を守るように包んでくれる誠史さんの温かい腕が好き。あとね、優しい眼差しも、首筋のにおいも…」 可愛い事を言いながら俺の顎を甘噛みすると、ゆっくりと下半身に手を伸ばしてくる環生。 「…俺だけを満たしてくれる体も大好き」 すっかり欲情した瞳で俺を見つめながら環生は俺を翻弄していく。 最初は指先でなぞるだけ。 俺の反応を見ながら指を絡めて扱いていく。 「環生…」 普段の甘えん坊で無邪気な環生と、目の前にいる色っぽくて大人びた環生。 このギャップは何度目の当たりにしても慣れない。 本当に同じ人間なんだろうか。 「…ふふっ。大人モードの俺にドキッとした?」 「あぁ、したとも。しばらく見ないうちに随分色気が増したから戸惑ってしまったよ」 「そうなの?よかった、大成功」 イタズラの成功を喜ぶ子供のような無垢さ。 この環生の可愛さをどうにかして記録できないものかと思案する。 記録した環生を眺められたら、離れている間も環生を堪能できる。 いっそ、環生のイメージ動画集でも作ろうか。 需要もある。 俺と息子たち、藤枝(ふじえだ)くんで5本。 それぞれ保存用にもう5本…。 髪にキスをしながらそんな事を考えていると、環生はちょっとむくれていた。 俺の意識が自分からそれた事に気づいたのだろう。 「ねぇ、誠史さん。もっとヌルヌルにして気持ちいい事したい」 「あぁ、気が済むまで楽しもう」 もう一度ローションを塗り合って抱きしめ合う。 環生は嬉しそうに俺の背中や下半身を撫で回す。 同じようにしてやると満足そうだ。 環生は一方的ではなく、一緒に何かをするのが好きだ。 「ヌルヌル気持ちいいね、誠史さん」 「あぁ、そうだな。環生の中に挿れるとローションのヌルヌルと、蕾の締めつけと温もりが重なって最高に気持ちいいんだ」 環生を抱きしめたまま蕾をほぐしていく。 滑りがいい分、いつもより簡単に体の準備ができていく。 「そうなんだ…。誠史さんが気持ちいいと俺も気持ちいいよ。誠史さんが感じるとすごく硬くなって俺の奥にゴリゴリ当たるから、お尻がキュンキュンするの」 「感じた環生がもっと俺自身を締めつけるから、ますます気持ちいい」 「すごいね、2人でしたら無限に気持ちいいね」 早く欲しいな…と、環生の可愛いおねだり。 「挿れるぞ、環生」 「うん、きて…誠史さん」 たっぷりのローションの感触を楽しみながら、正常位に対面座位に騎乗位。 乱れに乱れた環生がねだるから、そのまま松葉崩しとバック、フィニッシュは抱き合ったまま正常位。 体位のフルコースで環生と一晩中交わった。 数本のローションを少しずつ使ったから、空になる事はなかったが、使った総量は1本分くらいだろう。 布団を汚しても自分で洗濯できる事に安堵した環生はいつになく大胆で奔放だった。 その環生を悦ばせようと頑張ると、環生もそれに応える。 充実した2人だけの濃密な時間。 俺たちは無限の気持ちよさを共有しながら、久しぶりの逢瀬を楽しんだ。

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