266 / 420

第10章 第16話(※)

「んっ…秀臣(ひでおみ)さん…」 いつもより俺を抱きしめる腕の力が強め。 呼吸するのを忘れてしまいそうなほど深くて熱くて濃厚な口づけ。 きっと俺の気を紛らわせるため。 雷を忘れて秀臣さんに集中できるように。 それとも…久しぶりだから興奮してるのかな…。 たくさん触れ合えるならどっちでも嬉しい。 まだ雷は鳴ってるし、激しい光も怖いけど、秀臣さんが側にいてくれるから安心できる。 「環生(たまき)…」 後頭部に大きな手を添えられてホールドされる。 その状態で俺の舌にねっとり絡みついてくる秀臣さんの熱い舌。 2人の吐息や唾液の溶け合う音にうっとりする。 こんなエッチなキスされたらもう腰砕け。 「あぁん…もっと…」 剥き出しの性器の先端を温かい手の平で包み込まれる。 くるくる回しながら撫でられると腰が浮いちゃう。 「環生はいつ触れても感度がいい」 綺麗だ…と、艶を含んだ声で囁かれると胸の先が疼いた。 皆に開発されてどこよりも敏感になってしまった胸もいっぱい愛して欲しい。 「秀臣さん…。やっぱり胸も触って…」 左手でお臍を隠して、右手でカットソーを捲り上げた。 まだ触ってないのにぷっくりして、愛撫を待ち焦がれてるみたいな俺の胸。 秀臣さんの指先が触れただけで、体中を快感が駆け巡った。 「あぁん…ぁっ、はぁ…あんっ…」 右の胸はじっくり舐められたり、乳輪ごと吸われたり。 左の胸は秀臣さんの繊細な指先で小刻みに撫でられる。 愛撫中に時々太ももに触れる秀臣さん自身。 張ち切れそうに硬くなってる。 フェラをした時の雄のにおいや、入った時の圧迫感を思い出したら、どんどんエッチな気分になっていく。 手探りで握って扱くとトロトロがにじみ出てきて嬉しくなる。 「…っ、環生…」 感じてる秀臣さんの声…大好き。 もっともっと聞きたい。 興奮した俺は自分の下半身も擦りつけた。 仲良く寄り添う2人分を両手で握って上下に動かすと、溢れてくるお互いの先走りが混ざり合って、さらに滑りがよくなる。 「秀臣さん。俺…このまま…兜合わせでイキたい…」 「あぁ、そうしよう」 また唾液を絡め合う濃密なキスが始まる。 先走りのトロトロと、蕾の準備のためのローションのヌルヌルで、体中から濡れた音がする。 「秀臣さんの指…気持ちいい…」 少しずつ指が増えていって入口が柔らかくなっていく。 前も後ろも口の中も…全部気持ちいい。 「はぁん…ぁ…もうイク…」 「俺もイクぞ」 秀臣さんは俺の胸の先をつまんで揉みながら、人差し指の先で引っかき始めた。 追い詰めるような刺激に翻弄されて、一気に出したい欲が強くなる。 同じタイミングでイキたいけど、もう我慢できない…! 「もうダメ…───あぁぁんっ…!」 「…環生…っ…くっ…」 俺たちはほぼ一緒に絶頂を迎える事ができたんだ…。

ともだちにシェアしよう!