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第10章 第17話(※)

「はぁ…気持ちよかった」 「そうだな」 俺の胸やお腹にかかった2人分の精液。 秀臣(ひでおみ)さんのをかけて欲しくてイク瞬間、握った先端を自分の体の方へ向けた。 俺のよりちょっとドロッとしてる秀臣さんの精液も、達して俺の手の中でフニャフニャになった性器も可愛い。 「2人分だとかなりの量だ」 「うん…いっぱいだね」 長い指先で白いトロトロをすくい取った秀臣さんは、自分の先端と俺の蕾に塗り込んだ。 俺を見つめながら何度か扱くと、みるみるうちに元気を取り戻した。 すごい…もうこんなに…。 ギンギンになった秀臣さん、美味しそう…。 早く体の奥に欲しい…。 ゴクリと喉が鳴った。 体を密着させたままの正常位。 雷が怖いからずっと抱きしめていて欲しい。 「すごい…。硬いの入ってくる…」 「環生(たまき)の締めつけもすごいぞ」 秀臣さんは慣れた様子で全てをおさめると、俺の体を撫でながら腰を動かし始めた。 イッた直後で気持ちいい状態なのに、さらに快感を上乗せされたらもうたまらない。 「はぁん……ぁっ…あっ…あぁん…」 いつもより張りのある硬いカリで奥深くを突かれて、淫らな声が止まらない。 秀臣さんと体の奥深くで繋がってるのが嬉しい。 気持ちよすぎて気絶しそう。 クーラーが効かないうちから抱き合って本番を始めたから2人とも汗だく。 滑って体が離れてしまうのは淋しい。 秀臣さんの腰に脚を絡めて、ぎゅうっとしがみつく。 こうやって密着すると、秀臣さんの腰づかいをダイレクトに感じる事ができるからお気に入り。 「イキそう…。今度はお尻でイッちゃう…!秀臣さん…あぁんっ…」 今度はドライで果てたから、絶頂感がすごい。 頭もふわふわだし、体がビクビク痙攣してずっと気持ちいい。 力が抜けて体が離れそうになってしまう。 「俺の体の上に乗るといい」 秀臣さんは体を繋げたまま布団に寝転んだ。 「これなら体が離れる心配もないだろう」 「うん…嬉しい」 秀臣さんの厚い胸に頬を寄せた。 心臓のあたりに手を添えると、ドクン…ドクン…と伝わってくる鼓動。 秀臣さんは俺の腰と背中をグッと抱き寄せると、また奥を擦り始めた。 「あぁんっ、気持ちいい…」 「このまま…いいか」 「うん…。出して…」 まだ上手く力が入らないけど、何とかお尻を窄める。 今度は秀臣さんが気持ちよくなる番。 一滴残らず中出しされたい…搾り尽くしたい。 「……っ…、環生、いいか…」 「うん、いいよ。秀臣さん…」 返事をするとピストンがさらに激しくなった。 快楽を貪るような余裕のない腰づかい、荒くなる呼吸。 秀臣さんが俺の体に溺れてる。 「……イクぞ、…っ…んっ」 2度めの絶頂は俺の望み通り、体の奥深くでだった…。 「…秀臣さんに抱いてもらえて嬉しかった」 「俺も…環生を抱けてよかった」 一つになったまま微笑み合って余韻に浸る。 愛し合った後の気怠さと、優しい時間。 この時間が好きだから、セックスも好きなのかも。 気がつくと雨はすっかり止んでいた。 きっと窓の外には真っ赤な夕焼けが広がっていると思う。 カーテンの隙間から、オレンジ色の光が漏れていたから。 雷…もう怖くない気がする。 秀臣さんが怖い記憶を上書きしてくれたから。 でも…もし怖かったら、また秀臣さんに抱いてもらおうかな。 きっと雷の事を忘れるくらい激しく抱いてくれるから。 そう思うと、雷の日も少し楽しみな気がした…。

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