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第11章 第11話side.柊吾
〜side.柊吾 〜
環生 が恋人を連れてきた夜の事。
環生が『皆と奥の部屋でパジャマパーティーしたい』って言い出した。
リビングじゃなく、わざわざ『奥の部屋で』って言う事は夜のお誘いだ。
恋人を紹介して解禁になったその日の夜に俺たちと4Pしようなんてどれだけたまってるんだよ…と思うけど、俺も環生を抱きたくて仕方ない。
環生の彼氏は本気で俺たちがセックスしてもかまわないと言っていた。
同意の上なら何も遠慮する必要はない。
これで心置きなく環生を抱ける。
「ねぇ、香川 さんの事…どう思った?」
ベッドの真ん中は環生。
俺は環生の右側、麻斗 は左側、秀臣 は環生の頭のあたりに寝そべる。
手に触れたり、髪を撫でたりして思い思いに環生を可愛がる。
環生は嬉しそうにそれを受け入れる。
それが俺たちの日常だ。
「一緒に仕事をした時も穏やかないい人だと思っていたけど、環生の恋人として会っても誠実で素敵な人だと思ったよ」
麻斗が誉めると、環生は自分が誉められた時より幸せそうに笑った。
環生の表情は全部知ってると思っていたのに、こんなに柔らかく微笑む環生を見たのは初めてだった。
「柊吾は…?」
「いい奴だと思った。環生は男を見る目がないから、そいつも絶対どこか変な奴に決まってると思ってた。でも…本当にいい奴だった」
本心だった。
環生のぶどう狩りデート中に会った時に、環生を想う見た目も人当たりもいい完璧な大人の男だと感じた。
今日会って話しても欠点なんてどこにもなかった。
こいつなら環生を幸せにできる。
俺が思い描く環生の恋人像にピッタリだった。
「俺もいい人と巡り逢ったんだと感じた。環生が幸せそうに笑っていてよかった」
秀臣がそう言って頭を撫でると、環生は心底安心したような顔をした。
「よかった、皆が認めてくれて。香川さんも保科 家の皆は温かい方たちばかりで、賑やかで楽しかったって言ってたよ」
ありがとう…と環生が唇を寄せてきた。
久しぶりの柔らかな環生の唇。
抱き寄せてもっとキスをしようと思ったら、サッとかわされた。
「麻斗さんもありがとう。和やかな雰囲気を作ってくれて嬉しかったよ」
麻斗にぎゅっと抱きついてキスをする環生。
何だよ、俺と扱いに差があるぞ。
「どういたしまして。環生が好きな人と結ばれてよかったよ」
麻斗は環生を優しく抱きしめて頭を撫でる。
そのまま何度か唇を重ねた。
「秀臣さんもありがとう。『大切な環生をよろしくお願いします』って言ってくれた秀臣さん、頼もしくてカッコよかった」
環生に誉められて、キスまでしてもらった秀臣はもうデレデレだ。
「秀臣さんのギャップ可愛い」
ふふっと笑った環生は秀臣のおでこや鼻にキスをし始めた。
秀臣はそんな環生を抱き寄せて、環生の唇を指先で撫でる。
「環生…」
「秀臣さん…」
じっと見つめ合った2人は、ついばむようなキスをしてイチャつき始めた。
俺だって環生にキスしたい。
この日をどれだけ楽しみにしていたか…。
我慢できなくなった俺は環生の肩に触れて耳を甘噛みした。
環生をムラムラさせたくて、舌先で小さな耳をなぞると、すぐにビクッと反応した。
もう一息だ。
手のひらで胸をまさぐると、甘い吐息がこぼれ出す。
「俺…エッチな事…したくなっちゃった…」
すっかりスイッチが入った環生は潤んだ瞳で俺たちを見た。
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