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第12章 第11話
熱のある柊吾 と一緒に眠った明け方の事。
柊吾が起き上がる気配がして目を覚ました。
あれから柊吾が寝つくまで側にいて、起きる前に急いで荷ほどきや片付けをして、晩ご飯の下拵えをした。
秀臣 さんと、柊吾と3人で鍋焼きうどんを食べて、夜は看病がてら柊吾の部屋へ。
ゆっくり寝た方がいいから、自分の布団を運んで来て床で寝ようと思っていたら、『環生 にうつらないようにマスクをして寝るから一緒がいい』の一点張り。
体温の高い柊吾は、冷たくて気持ちいいって俺を抱き枕みたいにして眠った。
体勢が苦しかったけど、柊吾が『離さないし、離れたくない』って言ってるような気がして、そのまま眠った。
発熱してる柊吾といつも以上に密着してたから、暑くて暑くて…秋とは思えないほど汗だく。
早く柊吾の熱が下がりますように…って祈りながらマスクをはずしてあげて…それからの記憶がない。
柊吾の様子を気にしてたつもりだったけど、どうやら熟睡していたらしい。
昨日は香川 さんと初めてのお泊まりで、緊張してあまり眠れなかったから。
「柊吾…大丈夫?」
まだ眠くて上手く目が開かないけど、柊吾はペットボトルのミネラルウォーターを飲んでる様子。
「あぁ、もう何ともない」
柊吾は起き上がれない俺の隣に寝転がると、おでこをくっつけてきた。
「本当だ。いつもくらいに戻ってるね」
よかった…と、胸を撫で下ろしていると、柊吾にチュッとおはようのキスをされた。
「目が覚めた時、環生が口開いて爆睡してて安心した」
「えっ、どうして?」
「帰って来た日、環生の目が眠そうだった。実家であんまり眠れなかったんだろ?」
「う、うん…。何か緊張しちゃって…」
「そんな環生が、俺の前では安心して寝こけてるのを見たら嬉しくなった」
柊吾はご機嫌で俺の頬や鼻の先にキスをする。
体調が悪かったのに俺の事…気にかけてくれたんだ…。
優しい柊吾。
いつもいつも俺の事ばかり…。
嬉しくなって俺も柊吾の頬に口づける。
手を繋いで甘々なキスを楽しんでいると、だんだん柊吾の下半身が膨らんできた。
「…環生が欲しくなった」
前髪に優しいキスを一つ。
ストレートに求められて鼓動が速くなる。
「でも…まだ明け方だよ」
「朝になったら秀臣が起きてくるし、麻斗 も帰ってくるだろ…」
今、環生が欲しい…と、首筋に唇が触れる。
もう…病み上がりなのに。
またぶり返したらどうするの…。
そう思うけど、この前、俺が熱を出した時も今の柊吾状態だったかも。
病み上がりだったけど、久しぶりに会えた誠史 さんが欲しくて欲しくて…。
看病してくれた誠史さんにワガママを言って抱いてもらったのを思い出した。
柊吾も…あの時の俺と一緒なのかな…。
「いいよ。しようか」
ちょっとまだ眠くて頭がぼんやりするけど、きっと行為が始まったら気持ちよすぎて目が覚めるはず。
「いいのか…」
言葉では俺を気づかってくれるけど、柊吾はもうその気満々。
嬉しそうな顔で俺に覆いかぶさってきた。
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