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第13章 第16話(※)side.麻斗
〜side.麻斗 〜
「俺が…チェックするの?」
「そう。生え具合とか、不潔な感じがしないかとか…麻斗さんの目で厳しくチェックして」
そう言って着ぐるみパジャマを脱ごうとするから、ちょっと待って…と止めた。
こんな夜に丸ごと脱いだら風邪をひいてしまうし、香川 さんに見せてもいいお尻かどうかを、部外者の俺がチェックするのもおかしな話だ。
「…環生 はもし香川さんに胸毛が生えていたり、フェラをする時に陰毛がモジャモジャだったりしたらどう思う?抱かれたくないって思う?脱毛してくれたらいいって思う?」
「ううん、思わないよ。きっと毛だなぁって思うくらいかな…」
「香川さんも一緒だよ。香川さんは環生が大好きだから、どんな環生でも愛してくれると思うよ」
「…うん…」
うなずいてはいるけど、納得はしていない様子。
環生は頑固なところがあるから、きっと俺が確認するまでスッキリはしないんだろう。
…仕方ない。
ここは環生のために一肌脱ごう。
「俺が見てもいいの?」
「うん…。いい?」
「もちろん。環生の役に立てるなら」
そう伝えて頭を撫でると、嬉しそうに笑った。
着ぐるみパジャマを脱がせるのを手伝うと、環生の白い肌が見えてくる。
柊吾 だったら、このまま押し倒しているんだろうな…と思いながら、パンツを脱いで横になる環生の上半身に毛布をかけた。
「麻斗さん、ごめんね。こんな事させちゃって…」
「いいよ。俺にしかできない事だからね」
安心させるように微笑んでみせると、環生もふふっと笑った。
恥ずかしそうに脚を開きながら太ももを抱える環生。
辛くないよう、腰の下にクッションを当てると、蕾が丸見えになった。
「恥ずかしいから早く見て…、麻斗さん」
「わかったよ、環生」
任命されたお尻チェック係を全うするべく顔を近づけると、その状況に興奮したのか可愛い蕾がヒクヒクし始めた。
脱毛サロンの担当が男性なのか女性なのかはわからないし、どんな体勢で施術するのか見当もつかないけれど、環生はこんなに感じやすい蕾を晒せるんだろうか。
可愛らしくてそっと口づけると、ビクンと腰が跳ねた。
「だめ…麻斗さん…。ちゃんとチェックして」
「してるよ。蕾にキスをした時の体毛の様子を入念にね」
そう言ってまた唇を寄せると、甘い吐息がこぼれた。
キス一つで感じる敏感で欲しがりな可愛い環生。
「本当…?」
「本当だよ。今度は蕾を舐めた時の様子をチェックしようかな」
お尻をグッと開いてヒダを1本ずつなぞるように舐めると、石鹸と環生の混じった味がした。
「んっ…麻斗さん…」
声を我慢しながらも、無意識に腰を揺らし始めた環生が愛おしい。
通常モードだった環生自身もみるみる元気になってきた。
楽しくなってきて性器にチュッとキスをすると、制止するかのように太ももでグッと顔を挟まれた。
「もう…。だめ、麻斗さん」
ぷうっと頬を膨らせて怒る環生が愛らしくて仕方ない。
普段だったらこのままエッチな雰囲気にもなるだろうけど、今の環生はそれどころじゃないらしい。
「大丈夫だよ、環生。完全にツルツルではないけど、柔らかな毛だったし、愛らしい生え方だったよ」
丁寧に着ぐるみパジャマを着せながら伝えると、環生はホッとした表情をみせた。
「大丈夫そうなら脱毛はやめようかな…。今、麻斗さんに見てもらった時に思ったけど、スタッフさんに見せて感じちゃったら恥ずかしいし…」
「…そうだね。それがいいかも知れないね」
抱き寄せておでこにそっとキスをすると、環生からお礼のキスと『ありがとう』のプレゼント。
もう心は決まったらしくスッキリした表情を浮かべていた。
納得できたようで何より。
「それにね、よく考えたら、柊吾が絶対ダメって言って、サロンに行くの阻止されそう」
そう言いながらクスクス笑い始める環生。
何故ここで柊吾?と思ったけど、環生にとって柊吾は特別な存在なんだと思う。
自分がしようとする事に対して、柊吾が何て言うかを自然と気にするくらいに。
「そうだね、柊吾は嫌がるだろうね」
環生の事が大好きな柊吾に知れたら、間違いなく反対するだろう。
柊吾は知らない人が環生に触れるのを極端に嫌うから。
気になるなら自分が家庭用脱毛器で、環生の体毛ケアをするって言い出すだろう。
途中でイチャイチャタイムに突入しようとする柊吾と、ダメって言いながら欲しがってしまう環生の未来を想像したら、微笑ましくなった。
「将来、家庭用でケアしようかな…って思った時は、俺のところにおいで」
最後までちゃんとケアしてあげるから…と頬を撫でると、嬉しそうにうなずいた。
「ありがとう、麻斗さん」
頼りにしてるね…と、微笑まれると、それだけで癒される。
手間も暇もかかるけど、そこが可愛らしい環生。
この微笑みで香川さんも柊吾も虜にしているんだろう。
もちろん…俺もその1人。
「そろそろ休もうか、環生」
「うん…」
横になる環生の隣に寝そべって掛布団をかける。
電気を消そうとリモコンを手に取ると、環生がその手を握った。
「もうちょっとだけ…麻斗さんとおしゃべりしたいな…」
いい?…と尋ねる環生に、『もちろん、いいよ』と答えると幸せそうに微笑んだ。
楽しそうにおしゃべりする環生の髪に触れたり、頭を撫でたりしながら耳を傾ける。
それは俺にとっても至福のひと時だった。
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