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家政夫は大忙し☆ 第13章 第17話 | 奏和(かなと)の小説 - BL小説・漫画投稿サイトfujossy[フジョッシー]
目次
家政夫は大忙し☆
第13章 第17話
作者:
奏和(かなと)
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第13章 第17話
麻斗
(
あさと
)
さんにお尻チェックをしてもらってから一週間後の事。 俺はドキドキしながら
恭一
(
きょういち
)
さんの車に乗せてもらっていた。 今日は初めて恭一さんの家にお泊まりする日。 この前デートした日に合鍵をもらったけど、まだ一度も入れずにいた。 やっぱりあの家は恭一さんのお家。 留守の間に我が物顔で出入りするのは図々しい気がしてしまって…。 恭一さんは『お家の方が心配しますから…』と、基本的にデートは9時〜21時の間って決めているらしく、なかなか時間が合わなかった。 お互いに遠慮するからデートするのも一苦労。 あまりにすれ違う俺たちを見ていて不憫になったのか、
保科
(
ほしな
)
家の皆のガードが緩くなってきた。 麻斗さんが『
秀臣
(
ひでおみ
)
がね、もし
香川
(
かがわ
)
さんがいいと言うなら、家事は気にせず泊まりに行ってもいいって言ってたよ。
柊吾
(
しゅうご
)
も、淋しそうな
環生
(
たまき
)
をこれ以上見ていられないって言ってたし…』と、こっそり教えてくれた。 秀臣さんは『環生が好きな人と結ばれて欲しい気はするが、俺たちの環生でいて欲しい気もして複雑だから、自分から外泊は勧められない』と言い張ったらしく、麻斗さん経由で気持ちを伝えてくれた。 保科家の皆は本当に俺の事を大事に思ってくれている。 恭一さんが皆にすぐ挨拶に来てくれたのも、デートの時間を配慮してくれるのも、それを知ってるから。 それと同時に、保科家の皆にも恭一さんの真心が伝わってるから、こんな風に外泊を許可してくれたんだと思う。 そんなこんなで、恭一さんの仕事がお昼過ぎに終わる今日、お泊まりデートをする事になった。 最初は手を繋いでショッピング。 恭一さんがマグカップや食器、タオル…と、お泊まりに必要な物をリストにしてくれていた。 俺が泊まるの…楽しみにしてくれてるのかな。 俺が一緒に料理してみたいってリクエストしたから、スーパーにも寄った。 恭一さんと料理するのは俺の憧れ。 実家に帰った時、母さんに先を越されてしまったけど、いつかやってみたいと思っていた。 恭一さんは規格外野菜の詰め合わせや、少々訳あり品の果物を選んで買い物カゴに入れていく。 すぐ食べるから大丈夫です…と、おつとめ品の豆腐まで。 ちょっと意外だった。 SNSやテレビで見る恭一さんの料理は、いつも形の整ったキレイな野菜や果物を使っていたから、勝手に見た目重視なんだと思っていた。 「仕事の時はクライアントの要望があるのでどうしてもビジュアルが最優先になりがちですが…。普段の私はフードロスの削減に少しでも貢献できれば…と思って買い物をしているんですよ」 食べ物や地球の事も大切に思っている人なんだ…。 そんな優しい恭一さんが作る料理だから、見ているだけで温かくて幸せな気持ちになれるんだ。 大好きな恭一さんの新しい一面を知る事ができて嬉しかった。
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