347 / 420
第13章 第21話
「環生 さんの白い肌に黒が映えていいですね」
俺のパンツ姿を見た恭一 さんは、素敵ですよ…と誉めてくれた。
エッチでもないしオシャレでもない、普通の黒いシンプルなボクサーブリーフをはいているだけなのに。
秀臣 さんがお泊まり記念に勝負パンツを作るって張り切ってたけど、ものすごいエッチなパンツが完成したら困るからまたの機会に。
そのかわり新品のパンツをはいてきた。
「恭一さんも素敵…。色もオシャレです…」
恭一さんのパンツは深いオリーブグリーン色のボクサータイプだった。
生地は肌触りのよさそうなオーガニックコットンとかそんな感じかも。
お互いただのパンツ姿だし、大浴場に行ったら当たり前に視界に入るレベルだけど、大好きな人の裸やパンツ姿はやっぱりドキドキした。
恥ずかしいから、お互いに背を向けながらパンツを脱いで、手を繋いでバスルームに。
早く恭一さんの『好き』がいっぱい詰まったお風呂に入ってみたい。
そう思いつつも、さり気なく恭一さん自身を確認したら、大きさも長さも太さもちょうどよさそうな感じで安心した。
よかった…。
この感じなら無理なく受け入れられそう。
そう思ったらお腹の奥が疼いた気がした。
「どうぞ、環生さん」
「うわぁ、すごい…」
ナチュラルなグリーンと白でまとめられたオシャレなバスルーム。
大人4人くらいで入れそうな正方形のバスタブ。
洗い場も広くて家のお風呂じゃないみたい。
柑橘系の爽やかな香り。
もこもこの泡風呂も楽しそう。
恭一さんの提案で、最初はバスマットに座ってお互いの体を洗う事になった。
ボディタオルや手桶も2つずつ。
きっと俺のために準備してくれたんだと思うと、嬉しくなった。
恭一さんの広くて大きな背中。
本当は素手で撫で回したいし、抱きつきたいし、頬ずりをしたい。
そんな欲望をグッとこらえて、泡がたっぷりのボディタオルで優しく洗う。
ボディタオルがうらやましい。
毎晩恭一さんの肌だけでなく、あんなところやこんなところにも触れられて…。
「気持ちいいですよ、環生さん」
「あっ、はい。よかったです…」
さっきからエッチな事ばかり考えてしまって恥ずかしい。
恭一さんは純粋に俺とのお風呂タイムを楽しんでくれてるのに…。
「…環生さんはどうして私に尽くしてくれるんですか?普段淋しい思いをさせているんです、もっとワガママを言って甘えていいんですよ」
「本当は俺も…甘えたいな…って思ってたんですけど…」
離れてる時は淋しくて、会えたら優しくして欲しい、甘えたいとばかり思っていた俺。
でも、恭一さんに会えて、心の距離が近づいたのを感じたら、それだけで満たされてしまった。
俺には保科 家の皆がいて、好き放題甘えられるけど、恭一さんは一人暮らし。
お仕事も家の事も毎日1人でしている恭一さんは大変なはず。
だから少しでも疲れを癒してあげたい。
恭一さんの役に立ちたいって思った。
「恭一さんの顔を見たら尽くしたくなっちゃったんです」
「ありがとうございます。私も環生さんに尽くしたいと思っています」
同じですね…と、恭一さんが優しく微笑んだ。
ともだちにシェアしよう!