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第13章 第21話

環生(たまき)さんの白い肌に黒が映えていいですね」 俺のパンツ姿を見た恭一(きょういち)さんは、素敵ですよ…と誉めてくれた。 エッチでもないしオシャレでもない、普通の黒いシンプルなボクサーブリーフをはいているだけなのに。 秀臣(ひでおみ)さんがお泊まり記念に勝負パンツを作るって張り切ってたけど、ものすごいエッチなパンツが完成したら困るからまたの機会に。 そのかわり新品のパンツをはいてきた。 「恭一さんも素敵…。色もオシャレです…」 恭一さんのパンツは深いオリーブグリーン色のボクサータイプだった。 生地は肌触りのよさそうなオーガニックコットンとかそんな感じかも。 お互いただのパンツ姿だし、大浴場に行ったら当たり前に視界に入るレベルだけど、大好きな人の裸やパンツ姿はやっぱりドキドキした。 恥ずかしいから、お互いに背を向けながらパンツを脱いで、手を繋いでバスルームに。 早く恭一さんの『好き』がいっぱい詰まったお風呂に入ってみたい。 そう思いつつも、さり気なく恭一さん自身を確認したら、大きさも長さも太さもちょうどよさそうな感じで安心した。 よかった…。 この感じなら無理なく受け入れられそう。 そう思ったらお腹の奥が疼いた気がした。 「どうぞ、環生さん」 「うわぁ、すごい…」 ナチュラルなグリーンと白でまとめられたオシャレなバスルーム。 大人4人くらいで入れそうな正方形のバスタブ。 洗い場も広くて家のお風呂じゃないみたい。 柑橘系の爽やかな香り。 もこもこの泡風呂も楽しそう。 恭一さんの提案で、最初はバスマットに座ってお互いの体を洗う事になった。 ボディタオルや手桶も2つずつ。 きっと俺のために準備してくれたんだと思うと、嬉しくなった。 恭一さんの広くて大きな背中。 本当は素手で撫で回したいし、抱きつきたいし、頬ずりをしたい。 そんな欲望をグッとこらえて、泡がたっぷりのボディタオルで優しく洗う。 ボディタオルがうらやましい。 毎晩恭一さんの肌だけでなく、あんなところやこんなところにも触れられて…。 「気持ちいいですよ、環生さん」 「あっ、はい。よかったです…」 さっきからエッチな事ばかり考えてしまって恥ずかしい。 恭一さんは純粋に俺とのお風呂タイムを楽しんでくれてるのに…。 「…環生さんはどうして私に尽くしてくれるんですか?普段淋しい思いをさせているんです、もっとワガママを言って甘えていいんですよ」 「本当は俺も…甘えたいな…って思ってたんですけど…」 離れてる時は淋しくて、会えたら優しくして欲しい、甘えたいとばかり思っていた俺。 でも、恭一さんに会えて、心の距離が近づいたのを感じたら、それだけで満たされてしまった。 俺には保科(ほしな)家の皆がいて、好き放題甘えられるけど、恭一さんは一人暮らし。 お仕事も家の事も毎日1人でしている恭一さんは大変なはず。 だから少しでも疲れを癒してあげたい。 恭一さんの役に立ちたいって思った。 「恭一さんの顔を見たら尽くしたくなっちゃったんです」 「ありがとうございます。私も環生さんに尽くしたいと思っています」 同じですね…と、恭一さんが優しく微笑んだ。

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