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第14章 第2話(※)side.柊吾

〜side.柊吾(しゅうご)〜 ヤル気満々の環生(たまき)は、いつもより早く風呂を沸かした。 環生との時間を増やすために、録画したドラマを見るのは明日にして、俺も家事を手伝った。 環生が風呂に入っている間に、今日の講義の復習をして、明日の準備をする。 時間がない方が集中して勉強できていいような気もする。 「お待たせ、柊吾」 大急ぎで風呂を済ませてきた環生は、部屋に来ると飛びつくように俺に抱きついた。 待ちきれないとばかりに重なる唇。 環生から舌を絡めてくる濃厚なキスだ。 早くその渇きを潤してやりたい。 環生を抱きしめたままベッドにもつれ込んで、求められるまま深いキスをする。 濡れた柔らかい舌を吸ったり舐めたりすると、すぐに潤んだ瞳。 ルームウェアの上から胸をまさぐると、ビクンと体が跳ねた。 「環生、いつからしたかったんだよ…」 「…今朝…柊吾が出かけてからずっと…」 モジモジしながら、俺の手に胸を擦りつけてくる環生。 裾から手を入れて直に触れると、甘い吐息がこぼれた。 「…だから、パウンドケーキ焼いたり、手の込んだ晩ご飯作ったりしてたのか」 「うん…。手を動かしてないと、エッチな事しちゃいそうで…」 体のリズム的に欲情しているのか、アイツとの関係が上手くいってなくて、その反動でしたくなるのか…。 根本的な理由はわからない。 俺にできるのは、環生を抱きしめてムラムラを解消してやる事だ。 「大丈夫だ、俺に任せろ。環生がもうできないって言うまで抱き尽くす」 「…ありがとう、柊吾」 いっぱい舐めて…と、環生が捲り上げたルームウェアからのぞく可愛い胸の先。 愛されたがってぷっくりした先を口に含む。 舌先で小刻みに舐めながら、さり気なく勃起具合と蕾のヒクつき具合を探る。 体の付き合いも長いから、環生が前と後ろのどっちでイキたがっているかも大体わかる。 今は前だ。 ルームウェアの上からでもわかるくらい硬くなっているし、先走りで濡れ濡れだ。 とりあえず一度イカせたい。 イカせてある程度の欲が落ち着いたら、たっぷり時間をかけて体中可愛がってやるんだ。 指と舌で両胸を刺激しながら、パンツをおろして生の環生自身を撫で回す。 いつになくビショビショで、はち切れそうに硬い。 ちょっと扱いたらすぐにイキそうだ。 「んっ…あぁん…気持ちいい…」 胸や下半身を押しつけて、少しでも気持ちよくなろうとする環生が可愛い。 余裕のある時だったら『自分で腰振ってみろよ』と、囁いて、快楽を貪る環生を眺めていただろう。 強めに握って、最初からイカせるための扱き方をすると、察した環生は体の力を抜いて俺に身を委ねた。 環生の甘い吐息と、濡れた音を聞いていると、俺まで昂ってくるのがわかる。 「ねぇ、柊吾…」 「どうした、環生。イキそうか」 うん…と、うなずいた環生はキスしたそうに俺を見つめる。 「環生のタイミングで好きにイケばいいからな」 それだけ伝えて、唇を重ねる。 手の動きに合わせて舌を吸いながら一緒に扱くと、環生は簡単に昇り詰めていく。 「柊吾…も、イク…」 体を繋げている時みたいにぎゅっと抱きついてくる環生。 抱き寄せて、さらに深いキスをして、環生に尽くす。 もう弾けそうだ。 そう思った時だった。 「ん…ぁ…んんっ…ん──っ!!」 環生はビクビクッと体を痙攣させながら、俺の愛撫だけで果てた。

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