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第14章 第4話(※)side.柊吾

〜side.柊吾(しゅうご)〜 ベッドをおりてすぐ側に立った俺と、ベッドに座ったままの環生(たまき)。 今からするのは環生が望んだイラマチオ。 こんなに小さくて可愛い環生の口に俺自身をねじ込んで腰を振るなんて考えただけで勃つ気がしない。 ちょっとでも苦しそうな顔を見たらすぐ萎えるに決まってる。 「本当にいいのか」 「うん」 「…環生は言い出したら聞かないからな」 「俺の好奇心が満たされて、俺が幸せな気持ちになれたら、柊吾も嬉しいでしょ?」 俺に好かれてるのを知っている環生は、時々こうやって丸めこもうとしてくる。 魂胆が見え見えだが、可愛いからそれでいい。 言いたい事も言えずに抱え込んでモヤモヤするよりずっといい。 「舐めるね…」 俺の太ももに手を添えた環生は、俺自身の先端をペロペロ舐め始めた。 「んっ…」 先の窪みを舌先で撫でるように舐められると、自然に声が出た。 「柊吾のエッチな声…もっと聞きたい…」 うっとりした様子の環生は、裏筋を舐め始める。 積極的な舌づかいをしたかと思うと、大切な物に触れるかのように頬ずりしたり、ついばむようなキスをしたり。 「柊吾のにおいがする…」 興奮した様子の環生は、奥まで咥え込むと、腰を揺らしながら音を立ててしゃぶり始めた。 俺に見せつけるようなヤラシイやり方。 それだけで腰にクる。 フェラをする環生は楽しそうで、一生懸命で可愛いと思う。 俺も環生に何かしてやりたくなって、髪を撫でたり、耳の穴をくすぐったり。 「はぁん…」 環生が感じると、唾液の量が増える。 舌の摩擦が少なくなってさらに気持ちいい。 「環生、気持ちよくて最高だ」 「嬉しい…。ねぇ、さっきよりもっと硬くなってきたよ」 「環生にフェラされてるんだ、当たり前だろ」 「ふふっ、可愛い」 環生は嬉しそうに俺自身をつっつく。 もっとしちゃお…と、唾液をたっぷり絡めたまま口だけで扱く。 ジュボジュボいう音が卑猥だし、口の端から垂れるヨダレもエロい。 このままされたらイラマチオする前にイキそうだ。 すっかり環生の舌づかいに翻弄されていると、環生は動きを止めて俺を見つめた。 『動いて』と目配せをされる。 「…動くぞ、環生」 その先の快楽を味わいたくなって、誘われるまま環生の後頭部に手を添えて、じわじわと腰を進めてみた。 「んっ…」 環生の低い声に驚いて腰を引く。 こんなの心臓に悪すぎだ。 今のでヤラシイ気持ちが一気に冷めた。 俺の太ももを撫でながら『大丈夫、続けて…』の合図。 大丈夫じゃないだろ、こんなの…。 理性を取り戻した俺は、申し訳ない気持ちでゆっくり腰を前後に動かしていく。 ヌルッと奥まで入ると、眉間にシワが寄ったり、ウッと苦しそうな声を出したり。 ヒヤヒヤして萎えそうになるのを必死で奮い立たせた。 「大丈夫か、環生」 口を離してハァハァと荒い息をする環生。 どっちも気持ちよくないし、やめようと言っても頑固な環生は聞こうとしない。 もうちょっとで何かつかめる気がする…と、やたら乗り気だ。 「来て…柊吾」 「…苦しかったら絶対に言えよ」 「うん、わかった」 怖々何回か繰り返すうちに、お互い少しずつコツをつかめてきた感じがする。 環生の瞳がとろんとしてきた。 満たされた時に見せる顔だ。 安心したら、途端に快楽が押し寄せてくる。 環生の蕾に挿れている時みたいにヌルヌルで奥が狭くて、いい感じに絡みついてくる。 早く環生の気が済めばいい。 そうしたら後は思いっ切り甘やかしながら抱いてやれるのに。 そう思っていたのに、涙目で必死に俺自身を咥える環生の顔を見ていたら、胸が熱くなってきた。 何があっても手に入らない環生が、今は俺の思い通りになっている。 そう思うだけで、何故か気分が高揚して体が震えた。 つい、頭に添えた手に力がこもる。 嗜虐心も征服欲もないはずなのに、気づけば環生が『辛いから止めて』の合図をするまで、夢中で腰を振っていた…。

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