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第14章 第5話(※)side.柊吾

〜side.柊吾(しゅうご)〜 「はぁ…苦しかったけど楽しかった。いつもは俺のワガママ聞いてくれる優しい柊吾に支配されてる、欲情されてる…って思ったら興奮しちゃった」 俺、目覚めちゃったかも…と、俺の腕の中で無邪気に笑う環生(たまき)。 「俺も…目覚めたかも知れない。普段はワガママ放題してる環生が、俺の思うままかと思ったら異様に興奮して訳がわからなくなって…」 俺は環生のようには笑えない。 自分の中にそんな凶暴性が潜んでいたのかと思うと恐ろしくなった。 「大丈夫。柊吾は優しいよ。ごめんね、俺が無理矢理つきあわせたから…」 「いや、俺こそやるって言ったのに、後から勝手に落ち込むとか感じ悪いよな…」 「そうだよ、俺は柊吾とイラマチオできて嬉しかったのに…」 気分台無し…と、唇を尖らせながらぎゅっと抱きついて唇を重ねてきた。 甘えるような、じゃれるような可愛いキス。 怒ったフリをしているだけだとすぐにわかった。 環生はどんな俺でも当たり前のように受け入れて、いつも楽しそうに笑うんだ。 「お待たせ、柊吾の柊吾」 いっぱい我慢させちゃったね…と、話しかけながら俺の下半身をひと撫で。 「今度は柊吾のしたい事しようよ」 何がしたい?…と、俺自身の先をつついて弄ぶ。 「…環生に挿れたい。エロいポーズで誘う環生が見たい」 「ふふっ、柊吾のエッチ」 いいよ…と、チュッとキスをしてから体を起こした環生はベッドで四つん這いになると、上半身を下げて尻を突き出す姿勢になった。 蕾が丸見えになるように自分の両手で尻を割り開く。 柔らかな肉に環生の華奢な指が食い込むのも、欲しそうにヒクつく蕾も最高にエロい。 「挿れて…柊吾」 もう色々限界だったから、シンプルな誘いが心地よかった。 細い腰に手を添えて一気に体を埋めた。 「あぁぁんっ」 ビクビクッと体を震わせながらイッた環生。 挿れただけでイクなんて、環生もずっと欲しかったのか…。 そう思うと体が熱くなって、そこからはもう夢中だった。 環生に覆いかぶさるようにして、うなじや肩にキスをしながらいつもよりガンガン突いた。 「柊吾…激し……あっ…ぁ…はぁん…」 俺の枕にぎゅっとしがみつきながら、もっと来て…と言わんばかりに俺の尻に手を添えて引き寄せる。 そんな可愛い事されたら、もっと悦ばせたくなる。 環生に声をかけて背面座位になった。 汗ばんだ体をぎゅっと抱きしめたまま、俺の腰が砕けるんじゃないかと思うくらいの高速ピストンで前立腺を擦り続けた。 「だめぇ、イッちゃう…あっ、あぁぁっ…」 俺に揺さぶられながら精液を撒き散らしてイク環生。 ナカがぎゅっと搾り尽くすようにまとわりついてくる。 「俺もイクぞ、環生…。んっ…」 グッと腰を打ちつけるようにして、環生の体の一番奥に注ぎ込む。 俺の欲望を一身に受け止めた環生は、甘い吐息を漏らした。 「…今日の柊吾…すごい…」 呼吸の整わないまま、とろけた瞳でキスをねだるから優しく口づけた。 汗で濡れた前髪をかき分けておでこにも。 ついでに顔中にキスをすると、くすぐったそうにする。 可愛い環生が愛おしくて、全然萎える気配がない。 自分でも驚くぐらいギンギンだ。 「柊吾、元気いっぱいだね」 エッチだなぁ…ってクスクス笑う。 この感じだと環生もまだ余力がある気がする。 「環生…」 「うん…。柊吾…もっと」 今度は顔を見せて…って誘うようにキスしてくるから、体を繋げたまま正常位になった。 「柊吾の顔が見れて嬉しい」 「俺もだ」 見つめ合って唇を重ねた。 メインディッシュの後は、とびきり甘いデザートだ。 欲張りで愛されたがりの環生は、最後は大切にされてるって感じて行為を終えたいはずだ。 緩やかな挿入を繰り返しながら髪を撫でたり、鼻先にキスをしたり。 嬉しそうに微笑む環生は世界一可愛い。 「柊吾はどうして俺のして欲しい事がわかるの?」 「環生のして欲しい事と、俺がしたい事が一緒なだけだろ」 「そっか…」 よかった、一緒で…と、抱きついてくる。 今日はまだ少ししか触れてない胸をさり気なく寄せて擦りつけてくるあたり、なかなか貪欲だ。 「環生の胸も触りたい」 「俺の胸…触って楽しいの?」 「厳密に言うと、環生が触って欲しがってる胸を触って、悦ぶ環生を見るのが楽しい」 「もぅ…俺の事大好きすぎ」 俺の気持ちが自分に向いているのを確信した環生は満足そうだ。 俺はそんな環生を見るのも好きだ。 「いっぱい触って、いっぱい舐めて…」 耳元で囁かれて、耳たぶを甘噛みされた。 俺たちの夜はまだまだこれからだ…。

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