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第14章 第17話(※)

「辛くないですか、恭一(きょういち)さん」 「大丈夫ですよ。環生(たまき)さんはどうですか?」 「俺も大丈夫です」 お風呂から上がって、お揃いのバスローブを着た。 アラームをセットして一緒にベッドへ。 腕枕をしてもらって見つめ合う。 恭一さんと仲良くなって、本当だったらこのままセックス…なんて展開でもいいはずなのに、ローションを忘れるっていう最大のミスをしてしまった俺のせいで、諸々お預け。 せっかく会いに来たのに…って残念に思ったけど、恭一さんはそんなつもりもなさそうだから、その事は俺の胸にだけ秘めておく。 だってセックスする気満々で北海道まで押しかけたみたいで恥ずかしい。 「環生さん、キスをしてもいいですか?」 俺の頬を撫でていた恭一さんの指先が下唇に触れる。 コクンとうなずいて瞳を閉じると、そっと重なった恋しい唇。 あぁ、幸せ…。 はるばる北海道まで来てよかった。 でも、欲張りな俺は1回だけじゃ足りなくて。 体を寄せて俺からもキスをした。 「恭一さん…好きです…」 触れ合うだけのキスがもどかしくて、大人のキスをねだった。 恭一さんは清楚で慎ましやかな俺が好きなのかも知れないけど、今日だけは許して欲しい。 久しぶりに会えたし、お互いの気持ちを知る事もできた。 愛してる恭一さんに愛されてる事を実感したら我慢なんてできる訳がない。 「んっ…はぁん、恭一さん…」 舌先を舐め合ったり、息ができなくなるほど深いキスをしたり。 絡めた舌を吸われて、内頬の性感帯をなぞられて…。 頭も体もふわふわして呼吸を忘れてしまいそう。 「可愛いです、環生さん」 恭一さんの唇は首から鎖骨へ。 大好きな恭一さんに口づけられていると思うと、幸せで体中が喜んでるのがわかる。 胸の先もあっという間に反応して、バスローブが少し触れただけでビクッと体が跳ねた。 「環生さん、バスローブを脱がせてもいいですか?」 「はい…」 恭一さんはキスをしながら俺のバスローブを脱がせつつ、自分も脱いでいく。 身につけているのはパンツだけ。 直接触れ合う肌の馴染む感じや温もりが嬉しくて…ちょっと恥ずかしい。 「…ずっと環生さんの可愛らしい胸に触れたかったんです。指や舌で愛撫をして、環生さんを夢中にさせたいと思っていました」 「俺も…恭一さんに触れて欲しかったです…。恭一さんといっぱいイチャイチャしたくて、それで…」 同じ気持ちでいてくれた事が嬉しい。 恭一さんの手を取って自分の胸に押し当ててうなずくと、察した恭一さんは優しく微笑んで鼻の先にキスをしてくれた。 「触れますよ、環生さん」 「はい…」 『触れてもいいですか?』って聞いてくれる恭一さんも好きだけど、積極的な恭一さんも好き。 俺に触れたいって思ってくれてるんだ…。 そう思うと胸が温かくなって、恭一さんが欲しくてたまらなくなる。 「あぁん…ぁっ、あんっ…ああっ…」 右胸は恭一さんの熱い舌に。 左胸は恭一さんのキレイな指に。 両方同時に愛されて、喘ぎ声が止まらない。 「気持ちいいですか、環生さん」 いつもより余裕のない瞳で見つめられるとゾクゾクする。 恭一さんもそんな顔するんだ…。 もっと求めて欲しくて恭一さんの頭を抱きしめる。 体を揺らして、自分から胸の先を擦りつけた。 「あっ…あぁん…気持ちいい…」 俺が悦ぶと、恭一さんは楽しそうにそこばかりを刺激する。 あっという間に俺は恭一さんの愛撫の虜。 気持ちよすぎて胸だけでイッてしまいそう。 「きょ、恭一さん。待ってください…」 体を離そうとすると、さらにきつく抱き寄せられた。 このまま俺をイカせようとしてるのがわかる。 指先と舌先の動きもさらに小刻みになって、絶頂を誘う。 「だめ…イッちゃう…。あぁぁんっ!」 愛する人に敏感すぎる胸を愛された俺は、その刺激だけで乱れに乱れて、ドライで果ててしまったんだ…。

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