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第15章 第5話(※)
最初は触れるだけの柔らかな口づけ。
優しく頬を撫でてくれるのも、きっと俺の緊張をほぐすため。
でも恭一 さんも緊張してるのがわかる。
指先から微かにそれが伝わってくるから。
俺のために頑張ってくれてる…。
そう思うと、愛おしい気持ちがどんどん溢れてくる。
どちらからともなく体を寄せて何度も何度も唇を重ねる。
間接照明だけが灯る静かな寝室。
舌を絡め合う音と、お互いの甘い吐息だけが聞こえる。
夢のような甘くて濃密な時間。
「今夜の環生 さんはさらに可愛くて…とても綺麗です」
「恭一さんも…素敵です。全部望み通りすぎて、夢か現実かわからないくらいです」
部屋の雰囲気や圧倒的に美しい恭一さんのビジュアルにうっとりしていると鼻の先を甘噛みされた。
現実ですよ…と、優雅に微笑む恭一さん。
カッコよすぎて気絶しそう。
「ベッドの真ん中へ行きましょうか」
「はい…」
恭一さんのリードで、抱き合ったままベッドに横になった。
背中に触れるふかふかベッドが気持ちいい。
「可愛いですよ、環生さん」
北海道での夜を繰り返しているみたいな繊細な愛撫。
産まれたままの姿で触れ合う肌は温かくてしっとりしていて、もう最高。
このまま永遠に恭一さんとくっついていたい。
唇も、口の中も、鎖骨も胸も丁寧に愛されて、頭も体もとろとろになった。
「恭一さん…こっちも触ってください…」
さっきから疼きっぱなしのお尻にも触れて欲しい。
体の準備なんてしなくていいから、早く挿れて欲しい。
今夜は恭一さんプロデュースの初夜なのに、我慢できなくてついおねだりをしてしまう。
「少し待ってくださいね」
ベッド脇の引き出しから恭一さんが取り出したのは、見慣れたメーカーのローション。
開封済みなのは、昨日感触を確かめたからですよ…と、前置きした恭一さんは指先にローションを垂らす。
細やかな気づかいが心に沁みる。
たまらなくなって、ぎゅっと抱きつく。
自分から口づけをしながら、少しずつ脚を開いた。
「触れますよ、環生さん」
待ち焦がれた大好きな指が蕾に触れた。
それだけでビクビクッと反応する体。
恭一さんのキレイな指が俺の大事なところに…!
気持ちいいのと恥ずかしいので、どうしていいかわからない。
「環生さんの可愛らしいお尻が、私の指に吸いついてきますよ」
環生さんと同じで甘えん坊ですね…なんて囁かれながら、蕾の縁を揉みほぐしてもらう。
「んっ…はぁん…」
俺の反応を見ながら少しずつ入ってくる指。
体の力を抜いて温もりを受け入れる。
ずっとずっと触れてもらいたかった場所。
恭一さんの体温が心と体に染み渡っていく感じ。
「環生さんの中にも歓迎してもらえてよかったです」
「恭一さんなら…いつでも大歓迎です」
ふふっと幸せそうに微笑む恭一さん。
もっと幸せな気分になって欲しくて、俺も恭一さん自身に触れた。
「恭一さん…すごい…」
手のひらで感じる硬さや質量。
この前より先端が張ってるし、全体的にずっしり重い。
俺に反応してこうなっているかと思うと、嬉しくて…ちょっと恥ずかしくて。
指先で輪郭をなぞったり、握って揉んでみたり。
幹の部分を撫で上げるとビクッとなるし、先端をつっつくと、どんどん濡れてくる。
可愛い…。
もっといっぱい触りたい。
「環生さんはいつも嬉しそうに触れてくれるんですね」
「はい。恭一さんの恭一さんも大好きです」
「気に入ってもらえてよかったです」
口づけを交わしながら2人で体の準備をしていく。
たっぷり時間をかけたから、これ以上したらイッてしまいそうなくらい。
「すぐに準備をしますから」
俺のおでこにチュッとキスをした恭一さんは、ベッド脇の引き出しから、コンドームの箱を取り出した。
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