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第15章 第7話(※)side.恭一

〜side.恭一(きょういち)環生(たまき)さんは、楽しそうに口や手で私自身を元気にすると、ぎこちない手つきでコンドームを装着してくれた。 保科(ほしな)家の皆さんと仲良くしていて、慣れているとばかり思っていたから、少し意外だった。 もっと色々な環生さんを知りたい。 「恭一さん、できました」 「ありがとうございます、環生さん」 頭を撫でると、幸せそうに微笑む。 愛されたがりで可愛らしいだけでなく、私の情けないところまで丸ごと包み込む強さと、しなやかさを併せ持つ器の大きな人。 さぁ、いよいよだ…。 待ち望んだ環生さんとの初夜。 今までたくさん我慢させてしまった分も心を込めて大切に抱きたい。 環生さんの後頭部に手を添えたまま、そっとベッドに寝かせる。 お互いの顔を見られる正常位。 少し緊張した様子の環生さんも愛らしい。 「愛していますよ、環生さん」 「俺も…恭一さんを愛しています」 環生さんと出逢うまで、こんなにも『愛している』と言葉にする事はなかった。 でも今は『愛している』だけでは想いを伝え切れないほど。 今からは言葉だけでなく、私の体の全てを使って環生さんに愛を伝えたい。 熟れた環生さんの蕾に、そっと先端をあてがう。 環生さんの頬がほんのり赤く染まった。 「挿れますよ」 「はい…」 潤んだ瞳で恥ずかしそうにうなずく環生さん。 あぁ、何て愛おしい…。 「んんっ…」 少しずつ、少しずつ体の中へ。 柔らかくて熱い環生さんの中をかき分けるようにして入っていくと、すぐにうねうねと絡みついてくる。 まるで口淫をしている時の環生さんの舌のよう。 隔てる物がないまま触れ合ったら、どれほどの密着感なのだろう。 「痛くはないですか?」 太さはそれほどでもないけれど、長さはそれなりにあるから、挿れすぎないよう加減をしながら声をかけた。 「恭一さん…俺、もっと深くても大丈夫です」 「環生さんに無理をさせたくありません」 「痛かったらちゃんと言います。恭一さんを丸ごと全部迎え入れたいんです」 お願いです…と、ねだられて心を決めた。 環生さんならきっと無理な時は無理だと伝えてくれる。 ゆっくり腰を揺らして、先端で奥を拡げるようにして挿れていく。 環生さんも体の力を抜いたり、深呼吸をしたりして、何とか受け入れようとしてくれる。 「全部入りましたよ…」 環生さんは手探りで結合部を確認すると、満足そうに微笑んだ。

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