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第15章 第8話(※)side.恭一

〜side.恭一(きょういち)〜 「これで…恭一さんと一つになれた…」 嬉しい…と、みるみるうちに潤んでいく可愛らしい瞳。 すぐに一筋の涙になって目尻から溢れた。 感極まった環生(たまき)さんの様子に、私の視界も涙でかすむ。 なるべく体重をかけないようにして強く抱きしめた。 「環生さん、心からあなたを愛しています…」 耳元で囁くと、また溢れてくる涙。 いくら唇で拭っても止まる気配がない。 「俺も…恭一さんを愛しています…」 グスッ…と鼻をすすりながら、くっついてくる環生さん。 体温を共有しているせいか、少しずつしっとりしてくる健やかな肌。 「暑いですか?」 「ちょっとだけ…。でも、恭一さんと離れたくないです」 私の耳元に鼻先を寄せたり、首を甘噛みしたりして戯れてくる。 環生さんにも同じようにしながら、体をなじませていく。 無理をさせたくない気持ちと、もっと環生さんを求めて動いてしまいたい欲求。 我慢をしていても、とろけた環生さんの中に刺激されてビクッと反応してしまう。 「恭一さん…ビクビクしてる…」 「すみません。環生さんの中が気持ちよくて、体が勝手に…」 「いいんです。俺…嬉しいです」 柔らかな環生さんの唇が、私の唇のすぐ側に触れた。 キスをねだるように、唇の周りだけに何度も触れていく。 環生さんのリクエストに応えたくて、頬に手を添えて唇を重ねる。 それが合図かのように、環生さんが小さく口を開いた。 「んっ…はぁ…んんっ…」 濡れた舌の先を甘噛みして、なぞって、吸って…思いつく限りの愛撫を繰り返す。 環生さんの唇は情熱的で、官能的で…。 お気に入りの内頬を舐める度に、とろけた中がキュ…キュ…と締まった。 「恭一さん…」 我慢できなくなったのか、環生さんが律動を誘うように腰を揺らす。 「いいんですか?」 「はい…」 鼻の先や頬に口づけながら、少しずつ動き始めると、嬉しそうに絡みついてくる。 これほどの快感は初めてだった。 挿れていただけでも充分気持ちよかったのに、環生さんの中は包み込むようだったり、搾り尽くすようだったり…と、様々だ。 「…あぁん、んっ…ぁ…」 控えめだけれど、心地よい甘い喘ぎ声。 普段の落ち着いたトーンや甘える時の声もいいけれど、ベッドの中でのとろけた声も愛らしい。 もっと聞かせて欲しくて胸の先を撫でたら、ますます声に甘みが増した。 指先を使って優しく撫で続けると、中がぎゅっと収縮する。 出し挿れと、胸を引っかくタイミングを合わせると、環生さんは大悦び。 私の胸は幸福感や達成感で満たされていく。 「恭一さん…イキそう…」 我慢できない…と、私の腰に両脚を絡めた環生さんは、グッと私を引き寄せた。 急速に膨れ上がる射精欲。 「私もです…環生さん」 涙ぐんでうなずく環生さんをきつく抱きしめる。 どちらからともなく唇を重ねて、2人で一緒に駆け上がってくる衝動に身を任せる。 「好き…恭一さん…あぁんっ」 「環生さん……んっ…」 環生さんと迎えた初夜は、とても温かくて優しくて気持ちよくて…多幸感に満たされた最高のひと時になった…。

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