392 / 420
第15章 第9話(※)
「大丈夫ですか?環生 さん」
「はい…大丈夫です」
呼吸が整わないうちから、俺の心配をしてくれる優しい恭一 さん。
イッた直後でも爽やかで美しいんだな…なんて、ぼんやりと思う。
俺…本当に恭一さんと結ばれたんだ…。
そう思ったら急に恥ずかしくなってきて、恭一さんに抱きついて顔を隠す。
「環生さんは本当に可愛いですね」
恭一さんは、愛おしそうに俺の髪を撫でる。
可愛いって言ってもらいながら髪や頭を撫でられるのが大好きな俺にはたまらないご褒美。
首に鼻先を擦りつけて甘えると、恭一さんがくすぐったそうに笑う。
体の隙間がないほどぎゅっと抱きしめ合って一緒に迎えた絶頂。
気持ちよくしてもらえた事も、恭一さんが気持ちよくなってくれた事もすごく幸せ。
恭一さんも同じくらい幸せを感じてくれてたらいいな…。
「今、とても穏やかで温かくて、幸せな気持ちです」
「俺も同じ気持ちです…」
見つめ合って、微笑み合って、触れるだけのキスをして。
あぁ、もうそれだけで幸せ。
「でも、このままの体勢だと環生さんが辛いですね」
体も冷えてしまいます…と、脚を開いたままの俺を気づかう恭一さん。
体を離すのは名残惜しいけど、きっとイッたままのコンドームをつけているのも落ち着かないんじゃないかな…と思う。
最後にもう一度だけキスをして、ゆっくり体を離した。
恭一さんが抜けた体は、何だか半身が欠けてしまったような気持ちになって、自分の体じゃない気がした。
「うわぁ、すごい…恭一さん…」
思わず本音が漏れた。
禁欲生活が長かった恭一さんが放った大量の精液。
使用済みのコンドームはたぷたぷ。
俺の目は釘づけだし、胸はドキドキするし、お腹の奥はムズムズして忙しい。
「そんなに見つめないでください、環生さん」
恥ずかしそうな恭一さんは、手早くそれを処理してしまった。
あぁ、もったいない…。
恭一さんが俺で気持ちよくなってくれた証…もう少しだけ見せて欲しかった。
今度は中に出してもらえたらいいな。
一緒にシャワーを浴びた後はおそろいのパジャマを着て腕枕タイム。
抱かれた後の幸せな倦怠感。
今までの腕枕の中で一番満たされた気持ち。
心も体もふわふわあったかくて、このまま眠りにつけるなんて最高の贅沢。
「環生さん、今夜は…触れてはくれないんですか?」
「えっ…?」
恭一さんは俺の手を取ると、ふにゃふにゃモードになった恭一さん自身に導いた。
「触っても…いいんですか?」
「ええ、むしろそうして欲しいです。北海道で環生さんに触れてもらえた時…ホールドされている感じが不思議と安心できたんです」
そうなんだ…。
気に入ってくれたの…かな…。
「環生さんは嫌ですか?」
「いえ…。俺は恭一さんに触りたいから嬉しいです」
「では、お願いします」
「はい…お願いされました」
触りやすいよう、もう少しだけ体を寄せた。
せっかくだから、いい感じにホールドして恭一さんに安らいで欲しい。
「環生さんにこうされていると、とても落ち着きます」
「…よかったです」
恭一さんの幸せは俺の幸せ。
俺も恭一さんにくっつけて幸せだから、きっと恭一さんも幸せでいてくれるはず。
「おやすみなさい、大好きな環生さん」
「おやすみなさい、大好きな恭一さん」
チュッとおやすみのキスを交わす。
これから一緒に眠る時は、このスタイルが2人の『いつも』になりそう。
俺は恭一さんの大事なところに触れたまま眠りについた…。
ともだちにシェアしよう!