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第15章 第11話

保科(ほしな)家の皆に、恭一(きょういち)さんが泊まりに来てもいいよって言ってもらえてから数日後の事。 今日は久しぶりに柊吾(しゅうご)のベッドへ潜り込んだ。 恭一さんと結ばれてからも、それは変わらない。 いつも通り俺は皆の部屋で眠る。 前よりペースは落ちたけど、体を繋げて仲良く過ごす夜もある。 麻斗(あさと)さんのお店でバイトを始めた柊吾は、シフトの都合で時々遅くに帰ってくる。 俺が恭一さんの家に泊まりに行く事もあるから、割とすれ違い生活。 間が空いたからか、何となくお互い照れ臭い。 ベッドに隣同士で横になって、一緒に配信限定のドラマを見る。 SNSで話題になっていたドラマ。 ルームシェアをする男の子4人が繰り広げる友情と恋の物語。 俺は初めて見るから、登場人物の名前と顔が一致しないけど、柊吾は楽しそうに見てる。 何か…淋しいな。 朝から晩までずっと一緒にいた頃は、同じペースでドラマも楽しめたのに。 食べたい物もセックスしたいタイミングも同じだったのに。 すぐ側にいるのに、柊吾が遠い。 恭一さんがいるのに、柊吾にもかまって欲しいだなんて贅沢だし、おかしな事だってわかってるけど、それはそれ、これはこれ。 柊吾に甘えた時にしか味わえない喜びや楽しさを知ってしまったから、離れられない。 「柊吾…」 「ん…どうした」 「ちょっと寒くなってきたからあっためて」 本当はそこまで寒くないけど、触れ合うきっかけが欲しくて声をかける。 柊吾はすぐにスマホを閉じると、いつもの腕枕をしてくれた。 「ドラマ…いいの?」 「いい。環生(たまき)を温めるのに忙しい」 寒くないか…って、肩に布団を掛けてくれる。 皆が恋してしまいそうな優しくて温かな声や眼差し。 久しぶりに優しくされて、嬉しいと恥ずかしいが入り混じる。 目が合うと柊吾もそんな顔をしていた。 …もしかして、柊吾も触れるタイミングを探っていたのかな。 自然な流れで体を寄せ合って唇を重ねた。 特に言葉は交わさなかったけど、キスがしたいって気持ちは同じだから。 したいな…って思ってた優しいキス。 繰り返す度に少しずつ触れている時間が長くなっていく。 どうしよう…したくなってきた。 とりあえずくっつきたいって思ったけど、くっついたら、それだけじゃ足りない。 もっと呼吸や体温を共有したい。 柊吾の背中を誘うように撫でて、兆し始めた下半身を擦りつける。 俺はしたいけど、柊吾はどうかな…。 「したいのか?環生」 「うん…。柊吾としたい…」 「始めたら止められないぞ」 「うん、いいよ…。柊吾は?俺としたい?」 「したいに決まってるだろ。環生が俺のベッドに来る日が楽しみだった」 素直な柊吾が可愛くてニヤニヤしていると、鼻をぎゅっとつままれた。

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