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第16章 第4話(※)side.恭一

〜side.恭一(きょういち)〜 「恭一さん…嬉しい…」 見つめ合ったまま正常位で体を繋げると、うっとりする環生(たまき)さん。 甘くとろけた中や、ふわふわと幸せそうな笑顔で私を歓迎してくれる愛おしい人。 「私も嬉しいですよ」 そう伝えて頬を撫でると、さらに柔らかくなる表情。 ゆっくり中をかき回すように腰を揺らす。 体を馴染ませているうちから、狭くて温かな中が私に絡みついてくる。 早く奥を擦って欲しそうに潤んだ瞳。 前にお酒を飲んだ時、セックスが大好きだと教えてくれた環生さん。 相手を想う気持ちと温もりを共有しながら、一緒に気持ちいい事をするのが至福との事。 さほどセックスを重要視せず生きてきた私が相手ではきっと物足りないはず。 もっと『こうして欲しい』という望みもあると思うけれど、環生さんは不満の一つも言わず、私との時間を楽しんでくれている。 心だけでなく、体も充分に満足して欲しい。 その一心で、事前に色々と学んでこの日を迎えた。 「愛しています、環生さん」 環生さんの肩に手を添えて、自分の方へ引き寄せながら腰を前後に振ってみる。 なるべく奥の方を刺激するイメージで。 「ああっ、いつもより深い…!」 私の腕をきゅっとつかみながら悦ぶ環生さんを見て、高揚する心。 もっと私で満たされる環生さんが見たい。 「ほら、こうするとどうですか」 空いている手で、環生さんの下腹部をゆっくりと押し込む。 前立腺を外からと中からと挟むように刺激して反応をうかがう。 「あぁっ…待って、恭一さん…」 だめ…と、体を震わせ始める環生さん。 その時が近い事を察した私は、体の角度を調整してふっくら育った前立腺を強めに擦る。 「あぁん、イッちゃう…!」 甘えた声と共に可愛らしい性器から飛び出す真っ白な欲望。 薄いお腹に飛び散ったそれは、降ったばかりの雪のように無垢で清らかなのに、とろみがあってどこか生々しかった。 「恭一さん…」 抱きしめて欲しそうに両手を伸ばすから、すぐに抱きしめる。 はぁはぁと荒い呼吸も、しっとり汗ばんだ肌も、ぎゅっと抱きついてくる腕の力も全てが愛おしい。 「気持ちよかったですか?」 「はい…。いつもよりもたくさん…」 ふるふるっと身を震わせて、余韻に浸る姿に心が満たされていく。 「…本当は今のもっと…して欲しいです。でも…恭一さんにも気持ちよくなって欲しくて…」 「環生さんが気持ちいいと、私も気持ちいいですよ。一緒に気持ちいい事をしましょうか」 環生さんを促して2人で横になる。 華奢な体を包み込むように抱きしめる背面側位。 心地いい温もりも、柔らかな肌も、少し汗をかいた髪の湿度も…環生さんの全てが大切で、愛おしい。 「挿れますよ…環生さん」 「はい…」 右手を下腹部、左手を環生さんの胸に添えながら挿入していく。 潤った柔らかな中は、奥へ奥へと誘い込むようにくっついてくる。 正常位とはまた違った密着感。 体を寄せたまま敏感な胸の先を撫でたり、ゆっくり腰を動かして愛情を伝える。 「あぁん…ゆるっとした動きも気持ちいい…」 お腹の中が溶けそう…と、可愛らしい事を言いながら振り向いてキスをねだる。 口の中も溶かしてしまいたくて、愛撫するように舌を絡めて吸いついた。 感じ始めた環生さんの中はさらに熱を帯びる。 先ほどと同じように、外からと中からと同時に前立腺を可愛がると、さらに濡れ始めた声。 「恭一さん…我慢できない…!あぁんっ…」 私の腕をぎゅっとつかみながら、中で達したらしい環生さん。 精液を搾り取るように中をビクビクと痙攣させるから、一気に絶頂が迫ってくる。 「環生さん…っ……」 きつく環生さんを抱きしめて、腰を押し込むようにしてその時を迎える。 こんなにも長くて満たされた射精は初めてだった。 「…恭一さん、俺…幸せです」 「私もです。今、幸せを噛みしめています」 恥ずかしそうに私を見つめるその瞳は、甘くて優しくて、とても柔らかかった。

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