412 / 419

第16章 第13話(※)side.柊吾

〜side.柊吾(しゅうご)〜 「雨か…」 「雨だね…」 電車を降りたら雨が降っていた。 この季節の天気は変わりやすい。 傘なしで歩くのは避けたい降り方。 コンビニで傘を買うか、雨宿りして様子を見るか…。 「ねぇ、柊吾。走って帰ろう」 楽しそうな環生(たまき)が俺の手を引いて走り出した。 「待て、環生。濡れるだろ…」 「大丈夫。早く帰って柊吾と気持ちいい事したい」 そんな環生も可愛いが、風邪を引かせる訳にはいかない。 走りながら上着を脱いで環生の頭に被せた。 酔っていて、いつもより陽気に笑う環生につられて一緒に笑う。 こんなに楽しいなら、雨も悪くないと思った。 ……のは、最初の2分くらいだった。 想像以上に家が遠かったし、雨も強かった。 今度からは絶対に傘を買おうと心に決めた。 最後の方はただの早歩き状態で、家に辿り着いた時は息も切れ切れで、びしょ濡れの散々な状態だった。 「はぁ…はぁ…苦しい…」 「だな…。結構キツイな」 完全に運動不足だ…と、ヨロヨロする環生を支えながら風呂場へ連れて行った。 「柊吾も一緒に入ろう」 濡れたままだと風邪引くよ…と、服を着たまま半ば強引に風呂へ引きずりこまれた。 俺が扉を閉めたのを確認した環生は、待ってましたとばかりに抱きついてくる。 「柊吾、柊吾…」 甘さのカケラも感じられない奪うようなめちゃくちゃなキス。 唇をこじ開けて舌を入れてくるから、応えるように柔らかな舌を舐め上げる。 「柊吾の舌…あったかい…」 もっと…と、キスをねだりながら着ている物を脱ぎ始める環生。 雨に濡れて肌に張りついたシャツがやたら色っぽい。 脱ぎ辛そうにする環生を手伝ってやると、露わになっていく滑らかな素肌。 触れて欲しそうにツン…と尖った胸の先端。 デニムに手をかけた時、ふと思った。 環生はどんなパンツをはいているんだ…? アイツとデートしていたから、とっておきのエロエロパンツなんだろうか。 それともいつものシンプルなボクサーブリーフか…。 環生のエロエロパンツ姿を見たい気もするが、贅沢を言えば、アイツのためにでなく俺のためだけに身につけたエロエロパンツが見たい。 自分勝手なのはわかっているが、今はシンプルなのをはいていてくれ…と願う。 俺に環生のパンツに口を出す権利はないけどな…と、思いながらデニムを脱がせたら、いつものボクサーブリーフだった。 胸を撫でおろしていると、身を屈めた環生が嬉しそうにフェラを始めた。 もう硬くなっているそれをいきなり奥まで咥え込んで扱く。 俺を興奮させるための直接的な舌づかい。 「た、環生…。ちょっと待て…」 「嫌、待たない。ね、早く挿れて…」 激しいの欲しい…と、環生は俺好みの潤んだ上目づかいで誘った。

ともだちにシェアしよう!