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第16章 第14話(※)side.柊吾

〜side.柊吾(しゅうご)〜 「いいんだな、環生(たまき)」 「うん…」 もっとあちこち愛撫をしてから順番に…と思っていたがもう我慢ならん。 期待を込めた眼差しで俺を見つめながら立ち上がる環生。 壁に手をつくように促して後ろから抱きしめた。 無防備で柔らかな尻を撫で回すと、環生の腰が揺れ始める。 愛撫しやすいよう突き出された尻を割り開いてローションを垂らす。 いつでもどこでも誰とでもできるよう、家のあちこちに置かれているローション。 昨日の夜、泊まりに来ていたアイツに抱かれていた環生。 ある程度の体の準備はできていた。 舌を絡めるキスをしながら指で軽くほぐした後、興奮して硬くなった先端で、欲しがりな蕾を何度か擦る。 「なぁ、環生。これが欲しいのか?」 耳たぶを甘噛みしながら囁くと、ヒクついた蕾が吸いついてくる。 このむにゅっとした柔らかい感触がたまらない。 「うん…欲しい。柊吾の硬いの…欲しいよ」 早く…と、俺の尻を引き寄せる。 その仕草や声に誘われて、痛いほどに漲る下半身。 求められている事に喜びを感じて体が熱くなる。 「挿れるぞ」 「んっ、あっ…ぁ…あぁん…」 環生は壁の手すりにつかまりながら、嬉しそうに俺を受け入れていく。 アイツと体の関係を持つようになってから、環生は変わった。 胸や尻を中心に全体的に肉づきがよくなって、抱き心地がソフトになった。 体の動かし方も前よりしなやかになったし、感度もよくなった。 まとう雰囲気がどことなくヤラしくなった。 どんな環生でも環生だが、時々俺の知らない環生が垣間見える事もある。 環生を独占したいと思う反面、違う環生にそそられる自分もいる。 「体…辛くないか?」 「うん、いい感じ」 ふふっと微笑んだ環生は、ゆっくり前後に腰を振り始めた。 絶妙な締めつけ具合で甘やかすように扱かれる。 俺の体が当たる度、ぷるんと揺れるマシュマロのような尻。 「柊吾も…気持ちいい…?」 「あぁ、密着感が最高だ」 満足げな環生の小さな耳や柔らかな頬に口づけすると、また聞こえ始める吐息と濡れた音。 狭い浴室だから、ベッドで聞くよりも響いて生々しい。 激しいのが欲しいと言っていた環生は、待ちきれずにどんどん自分から動く。 手すりにぎゅっとつかまりながら、甘ったるい声を出す。 体中で俺を感じている時の声だ。 「はぁん…柊吾、気持ちいい…」 もっとしていい…?と、腰を振りたくる。 弾みで抜けそうなほど激しい動き。 割と受け身で愛されたがりな環生がこんなに張り切るのも珍しい。 もしかして欲求不満なのか…? 「んっ…んんっ、柊吾…」 様子をうかがっていると、聞こえ始めた苦しそうなかすれ声。 だんだん腰を振るスピードも落ちてきたし、表情も辛そうだ。 体力が尽きたのか、上手くイケなくてもどかしいのか…。 「イケそうなのにイケない…」 いつも胸や下半身を同時に愛撫されながら、イクのに慣れている環生。 自分の腰振りだけでイクのは難しいはずだ。 早く何とかしてやりたい気もするが、もっと焦らして可愛くねだるところを見たい気もする。 「柊吾…イカせて…」 望む言葉を紡がれて、満たされた気持ちになる。 こうなったら思う存分イカせてやりたい。 「ん、待ってろ」 世界で一番環生を抱いているのは俺だ。 環生の好きなところは手に取るようにわかる。 突いて欲しがっているところに当たるよう、体の角度を変えた。 「ここだろ、環生」 熟れた前立腺をカリで引っかけるように擦ると、もっととせがむように絡みついてくる熱い中。 「うん、そこ…」 あぁんっと、急に甘さを増した声。 何度聞いても環生の感じる声は腰にクる。 体を密着させて左手で敏感な胸の先を、右手は蜜でトロトロになった環生自身を撫で回す。 胸は指の腹でじっくりと丁寧に。 手の中で弾けそうな果実は強めに握って扱く。 腰は小刻みに前後させて、前でも後ろでもどっちでもイケるようなピストン。 「んんっ、イク…柊吾イッちゃう…。あっ、だめ…あぁん…!」 俺の『イケよ』や『いつでもいいぞ』を待たずに前でイッた環生。 勢いがよくて、俺の手におさまりきらないほどの白いトロトロ。 昨日アイツと致した割には大量だ。 可愛いな…環生…。 俺は汗ばんだうなじに、そっと唇を寄せた。

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