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第16章 第15話(※)

「しゅ、柊吾(しゅうご)、助けて…」 思いっ切り達したら、脚がガクガクして力が入らない。 手すりにつかまって何とか体勢を保っていると、柊吾が支えてくれた。 「大丈夫か、環生(たまき)。一旦座るぞ」 心配そうな柊吾は俺を抱えたままお風呂マットに腰をおろす。 まだ繋がったままだから、ほぼ背面座位。 「あっ…」 ズブッとさらに深く柊吾と繋がって思わず声が漏れてしまったけど、自力ではもう何もできない。 柊吾にもたれながら余韻に浸る。 「気持ちよかったか?」 「うん…」 ありがとうを伝えると、嬉しそうな笑顔。 俺の望みを叶えると心から満足そうに微笑むから、胸がキュッとなる。 「もっと気持ちよくしてやるからな」 そう囁いた柊吾は果てたばかりの先端を性的な手つきで撫で始めた。 「あっ、だめ…!」 まだイッたばかりで、敏感な先端。 せっかくなら今度はお尻がいい。 止めても聞いてくれないから離れようとすると、腕の中に閉じこめられた。 「あっ…ん…」 先端だけを包み込むようにして高速で動かす。 ビリビリと体中に電流が走るみたいな快感。 根元のあたりがキュンキュンと疼く。 射精よりもトイレの時に近い感覚。 これ…知ってる…! 「柊吾、だめ…潮吹いちゃう!」 「風呂だから大丈夫だろ」 やだやだと暴れる俺を軽々と抱え込む。 耳への甘噛みが刺激になって、もう我慢できない。 「も…出ちゃう…あっ、はぁん…」 どうする事もできない俺は、盛大に潮を吹いてしまった。 柊吾の手も、俺の体もびしょびしょ。 精液とは違った感触やにおい。 お漏らしをしてしまったような羞恥心。 「柊吾…」 恥ずかしいのに下半身全部が気持ちよすぎて小刻みな痙攣が止まらない。 体だけでなく、頭までふわふわする。 「…そんなによかったのか?」 「うん…」 解放感と満足感がすごくて、もう戻れない気がする。 今度柊吾とお風呂に入ったら、また潮吹きをねだってしまいそう。 「そのエロい顔、よく見せてくれよ」 「あっ…んんっ…」 柊吾に促されて一つになったまま対面座位になる。 体の向きを変える時に、みっちり詰まった柊吾自身が俺の中をかき回すように撫でるから、それだけでまたイッてしまった。 「も…だめ…」 上手く力が入らなくて、寄りかかるみたいに抱きつく俺を包み込むように抱きしめる。 背中をポンポンされると、ビクッと反応してしまう。 もう何をされても気持ちいい。 「可愛いな、環生…」 2人きりの時限定の甘くて優しい声。 耳や頬に触れる唇の温かさ。 頭はぼんやりするけど、欲張りな俺の中は柊吾を離したがらない。 うねうねと絡みついたり、きゅっと締めつけたりして中出しをねだる。 「柊吾も気持ちよくなって…」 欲しいよ…と、囁くと柊吾の瞳の奥がギラついた。 雄の本能が剥き出しになるこの瞬間が好き。 もっと俺に欲情して、いっぱい気持ちよくなって欲しい。 「激しめにしてもいいか」 「うん…嬉しい」 自分から柊吾に口づけて舌を入れた。 熱くてしっとりしている舌を舐め上げたり、小刻みに舌先を吸ったり。 すぐに柊吾も応えてくれて、呼吸ができなくなるほど深くて長いキス。 腰が抜けそうなほど気持ちよくて、続きをせがむ俺を密着するように抱きしめた柊吾は、少しずつ腰を動かし始めた。 クチュ…グチュ…と、触れ合う部分から聞こえる濡れた音。 柊吾と繋がってる証。 動きがゆっくりな分、体の中のどこに柊吾がいるかがわかる。 「あぁん、そこ好き…」 張りのある先端に前立腺を撫でられると、もっとして欲しくなって淫らに求めてしまう。 体が上下する度に柊吾の体に擦られて硬くなった胸の先。 唇も胸もお尻も同時にされると、もうどこが気持ちいいかわからない。 きっとトロトロ顔のはしたない姿で柊吾に抱かれてるんだと思う。 そんな俺を見るのが一番興奮するって言う柊吾。 さっきより体積も硬さも増した気がする。 こんなにされたら柊吾より先にイッてしまいそう…。 「…っ、環生…」 イキそうだ…と掠れた声、荒い呼吸。 汗びっしょりの逞しい背中にぎゅっと抱きつく。 「柊吾…俺も…」 見つめ合って、唇を重ねて、2人一緒にその時を迎えたい。 同じ快感を共有したい。 「環生…うっ…」 「柊吾…しゅうご…あぁんっ…」 ほぼ同じタイミングで果てた俺たちは一体感と多幸感に包まれた…。

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