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雨恋情2

 外は雨だった。  恋人が来る夜のように。  やはり、恋人と会う時は不思議な位雨が多かったから。  ああ、肩を撃ち抜かれた日も、雨だったな、そういえば。  オレはフラフラと町を出た。  来月 、あの男を殺す。  決められた場所で、決められた道具で向かいあう。  殺そう。  そして、全部忘れよう。  そう決めていた。  あの男と一緒に生きることなど出来ない。  でも、あの男を手放すことも出来ない。  許すことも、愛することを止めることも出来ない。  憎しみからも、あの男への止められない執着からも、殺すしか答えはなかった。    雨だ。  こんな日にはあの男は雨に濡れながら歩いているのだろうか。  オレは街へ飛び出した。  もう、男もオレの正体を知っているだろう。  この街からは消えているだろう。  なのに、会いたくて、どこへ行けば会えるのかもわからず、ただ街をさ迷うために。  歩いて歩いて。  雨はオレの涙を隠してくれた。  ずぶ濡れのまま歩いて。  そして、見つけた。  まさか、と思った。  通りの向こうに立っていた、  男も驚いたようにオレを見ていた。  雨に濡れて、その明るい髪から雫がたれる、  その細い顎から雫が落ちる。  見開かれた淡い瞳はオレを映していて。  オレは車なんか気にせず 、道の向こうへと走った。  クラクションと罵声。  急ブレーキの音。  どうでも良かった。  オレは男を抱きしめた。  逃がさないように。  そして、強引にその唇を奪った。  その唇を割り、舌をねじ込んだ。  舌を絡ませ、それを味わう。  タバコの味がした。  ただ、今はこの男がただただ欲しかった。  裏通りに男を連れ込んで、そこで男を犯した。  繁華街の明かりが、色をかえてかすかに差し込んでくる建物と建物の隙間で、ただただ、男を犯した。  男は逆らわなかった。  男をひざまづかせ、その口の中をオレのものを突っ込んでいた。   頭を抑えつけ、口内を犯す。  喉をえぐるように突けば、男は苦しげにえづいた。  その中で放ってしまいたかったが、オレは立ち上がったそれを引き抜く。  雨が落ちてくる、すえたにおいのするその場所で 、男を引き倒し、ズボンを乱暴におろした。   男を立たせ、その白い尻を割り穴をむき出しにした。   オレはその穴にむかって射精した。     ドロリとした精液をローション代わりに解す。  「随分、優しいんだな、ムリヤリつっこまれるのかと思ったよ」  男が低い声で言った。  「黙れ」  オレはもう良く知った場所を指でこすり立てる。  男は壁に爪を立て、耐える。  男の服の下に手をはわせ、乳首を見つけ出しそれを摘まむ。   男は喘いだ。  「誰にでもそんな顔をすんだろ、殺人鬼」  オレはささやく。  服がまどろっこしい。オレは男の服を全て取り去った。  シャツなどは引き裂いた。  男の白い身体はまだ寒い空気と、パラパラと落ちてくる雨に晒されたが、気にしない。  どうせ、熱くなる。  後ろから男の穴をほぐしながら、もう片方の手でその身体を確かめるように撫でさする。  オレのオレのオレのものだった身体。  喘ぐ喉を、もう尖った乳首を、立ち上がっているそこを。  オレの手は一つ一つ、確かめるように撫でた。  「レイプされてんだぜ、わかってんのアンタ」  オレは勃ち上がった男のそこをこすりあげる。  男がここだけの刺激ではイケないことをしっているから、後ろの穴 に入れた指を止める。  「勃てんじゃねぇよ」  オレはそう言いながら、そこをしごきながら、耳を優しく噛んだ。  コイツが耳が弱いのも知っている。  やらしく、そこの先端の穴を親指で何度となくなぞる。  男は苦しげに呻いた  出来るだけやらしく、そこで指を動かした。  男の頭がのけぞり、唇が噛み締められた。  快感はここに貯まるだけで、出ていけない苦しさに男は耐えている。  後ろに入れてこすらなけば男はイケない。  前だけの刺激ではイケないのだ。  いつもなら「お願い、入れて」と男はオレに懇願するのに、さすがに今日はこらえている。  入れただけて動かさないオレの指を、後ろの穴がキュウっ締め付けた。  男のここが欲しがっているのがわかる。  欲しがっている。  苦しげに耐えながら、待っている。  ・・・オレを。  オレは耐えられなくて呻いた。  それが嬉しいと思ってしまった自分が許せなくて。  チャックを降ろして、オレはオレの立ち上がっていたモノを取り出した。  我慢できなくなって入れたのはオレだった。  いきなり最奥まで突いた。  男は射精しながら叫んでいた。  喉をそらし、背中をそらし、叫びながら、男の勃ち上がったそこから精液が吹き出させて。  それは、ゾクゾクするほど淫らで。  「畜生!」  オレは呻いた。  オレも入れただけで出そうなほど、良かったからだ。   もうオレの形を覚えているその場所は暖かで、オレを締め付けて。  ただただ良かった。  オレは男の腰を掴んで、背後から男の最奥をえぐるように突いた。  壁に手を突いたまま、男はオレを受け入れた。  深く深く入りたかった。  貫きたかった。  貫いて、それで殺せるものなら殺したかった。  もっと奥へ、もっと奥へ。  ひぃ、男の喉からは笛のような音が出た。  逃げるように腰が動くのを 、しっかり掴んで、また奥を突く。  男の壁について支えている手が、壁に爪を立てて、必死で耐えているのが見えた。  男がたまらなくなったのか、声をあげた。  「深、い、イイ」   男の唇が喘ぐ。   「レイプだって言ってんだろ、この淫乱」  オレは男の奥で回しながらささやく。  でも一度、感じてることを認めてしまえば、男は乱れるだけ乱れた。  「いい、もっと、突いて」  男が叫んだ。   自分から尻を揺らした。  自分で乳首を弄っていた。   オレに乱れる姿が胸に来ていた。  オレの淫らな可愛い恋人。  愛しい、こんなにも。    「殺してやる」  でもこぼしたオレの呻きもまた 、オレの本音だった。  母の死体。  妹の死体。  オレは突いた。  貫き殺したかった。  しなう背中、揺れる腰。   「もっともっと」     男が叫ぶ。  男は獣のように乱れた。  「殺してやる!」  オレも叫んだ。  オレも獣のように、男を貪った。  男のそこが、何度も何度も精液を吹き出す。  絞りとるように動くその中で、オレも何度も射精した。  でもすぐに中で堅くなり、オレは男を穿ち続けた。  愛している、重ねた時間がそう甘く思わせる。  殺してやる、母と妹の姿がよぎればその身体を引きちぎりたくなる。  それでも、この男に惹きつけられていることに苦しみ、この男を傷つけることに苦しみ、この男を傷付けたくないと思っている自分に苦しみ。  殺意、愛情、罪悪感、全てがぐちゃぐちゃに溶け合って。  その射精は脳が焼ける位気持ち良かった。  

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