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殺し合う4
雨の音がしていた。
ずぶ濡れなのは今日はオレだけだ。
階段を下りてくるオレにむかって男は銃を向けた。
そこに弾がはいっていないのはわかっていた。
カチ、カチ。
引き金を引く音がした。
オレはナイフすら上に置いてきた。
銃の使えないコイツを殺すには、ナイフすらいらない。
男は腹から血を流していた。
オレはヨロヨロと 男のうえにのしかかった。
男は苦痛の声を上げた。
オレの脚が傷に当たったのだ。
オレはもう、ただの玩具でしかない銃をそっと取り上げた。
投げ捨てる。
ああ、恋人の瞳が淡い。
綺麗な目だ。
「苦しいか?」
オレは囁く。
優しく頬を撫でる。
男は理解出来ないといったような顔をした。
「苦しいよな、可哀想に。すぐに楽にしてやりたいんだけどな、内臓ぶち抜いてるから、お前長くないよ、オレそういうの分かるんだプロだから」
オレは優しく男の顔 を指でなぞる。
ああ、綺麗な顔だ。
オレは優しく男に口付けた。
唇を重ねるだけのキス。
男の目が戸惑う。
「楽にしてやりたいけど、そうするべきなのはわかっているんだけど」
オレは男の服を脱がせ始めた。
男は苦しげに喘ぎながら、なにが始まるのかわからないといった顔をした。
「オレ、あんたが抱きたい。もう一度だけ」
オレは囁いた。
オレは狂っている。
本当に狂っている。
死にかけたこの男に欲情している。
このためにすぐに殺さなかった。
オレは男の服を取り去った。
白い肌が現れる度に痛くなるほど、オレのモノは堅くなった。
腹と、脚の酷い傷以外は男の身体はやはり綺麗だった。
白い胸に2つ、淡い乳首が浮かび上がるのはやはりエロかった。
こんな状況でオレのモノは立ち上がっていた。
「なぁ、最後一度だけ、いいだろ?」
オレは囁きながら男の胸を撫でた。
乳首をなめ、吸い上げた。
男はさすがにもう感じないだろう。
「最後に一度だけ」、恋人と何度もした後、いつもそう言って、もう一度挿れさせてくれと、恋人にねだったことを思い出した。
皮肉だった。
これは本当の「最後の一度」だったから。
ゴボッ、男が血を吐いた。
そして、男はオレに向かって笑った。
優しい笑顔で。
「お前、いつもそう言うよな」
それは、いつも恋人が言うセリフで。
その言い方はいつもの夜の言い方で。
オレは泣きながら恋人を抱きしめた。
血で汚れた綺麗な顔に自分の顔をすりつけた。 愛しかった。
欲しかった。
憎しみはもうなかった。
穴の中に無理やり自分のものを押し込み、 何度となく腰を打ちつけた。
死に行く恋人のソコは信じられない位気持ち良かった。
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