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第10話不安な夜の過ごし方2
「触らないで」
彼の言葉にドキリとした。
私の指は必要以上に彼に触れてしまったのだろうか。
彼に触れてしまいたい気持ちはとても強い。
でも、私は彼が望まないことはするつもりはなかった。
私は彼から手を離す。
しかし、彼の様子がおかしい。
顔が赤い。
息が荒い。
崩れおちるように床にしゃがみこむ。
私は慌てて抱き起こそとした。
「ダメ、さわらないで、ダメ」
彼が悲鳴をあげたが、そういうわけにもいかない。
胸に彼を抱えた。
彼が辛そうな吐息をあげた。
身悶える。
ドキリとした。
壮絶な色気がにめまいがした。
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