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不安な夜の過ごし方3
欲望が凄まじい。
この間よりもひどい。
オレは崩れ落ちた。
この場で自分を弄り、快感に浸りたいと思うほどで、身体を自分で抱き締めなければ、教授の前で何をするかわからなかったからだ。
教授がオレを抱き起こそうとする。
「ダメ、さわらないで」
オレは悲鳴をあげた。
だけど教授はオレをその胸に抱き締めた。
ああ、
オレは雄の匂いに身悶える。
オレは教授に雄を感じていた。
オレと繋がるモノだ。
ダメだ。
この人はダメだ。そう思っているのに。
頬を撫でられる感触がたまらなくて。
オレの意識が飛んだ。
オレは教授の首に手を回し、教授の唇にオレの唇を重ねた。
教授の身体が固まったのを感じた。
でもどうでもいい、気持ちいいことをしたい。
教授の強張った舌を見つけて、それに自分の舌を絡ませた
ぐい。
突然強く抱き締められた。
教授の大きな手が、オレの後頭部を抑える。
次の瞬間、オレはオレの口の中を犯されていた。
一瞬正気にかえった。
教授?
このキスは教授?
荒々しく舌が動く。
オレを奪うように。
熱い、熱い。
ひどく求められるようなキス。
何これ、オレこんなキス、知らない。
オレは気持ち良さと同時に怯えた。
この人は誰。
オレ、こんな人知らない。
オレの欲望は雄の匂いに反応しながら、オレの心は戸惑い怯えていた。
不意に唇が離れた。
教授が手の甲で自分の唇を拭った。
その仕草がひどく、セクシーに見えて、オレは混乱する。
教授の目がすごく黒くて怖い。
教授はオレを抱き上げた。
オレをどうするつもり。
オレの欲望は期待し、オレは怯える。
でも喘ぎ声しか出ない。
教授はオレを机に下ろし、引き出しを開けた。
そしてそれをオレの胸に押し当てた。
それは布と動物の骨で作られた人形のようなモノで、オレはそれが胸に置かれた瞬間、自分が正気にかえったことに気付いた。
「え、オレ」
オレの頭はスッキリしていた。
この数日のおかしさがウソのようだ。
そう、あの人に触れられた時みたいに。
教授が苦々しい顔をして言った。
「どうやら、君は何かに取り憑かれているようだな」
そして、オレは何かに取り憑かれていることを知った。
不安がやっと、収まった。
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