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殺される夜の過ごし方2

 「嫌だ」     俺は拒絶した。    俺は警察宿直室にいた。  弁護士からの電話一本で本当はもう帰れるはずなのだが、かなり騒ぎになってしまったので、警察も対応に追われ過ぎ、「申し訳ないが」とのことだ。  こちらも上手くホテルなどが見つからないため、ちょうど良かった。  いつもなら教授が動いてくれるのだが、何でも彼が倒れたらしい。  それでは、動いてもらえない。  カメラ引き連れて、教授の家には行けないし。  マネージャーをそろそろ作らなければならないときなのかも知れない。  いつも教授を都合良く使ってきたからな。  こういう時に動ける人間が必要だな。  これでしばらくアイツに会えないと思うとつらかった。  本当は毎夜抱きしめて寝たいのに。  出来れば、毎夜あの中に入りたい。  アイツを閉じ込めていた頃は、アイツの中には入ってはダメだったので、それはそれなりにつらかったが、でも、毎日触れた。  この腕の中に閉じ込めれた。  しばらく会えないとなると、その頃が懐かしくなってしまう。  アイツと会ってからオナニー三昧だ。  この俺が。  アイツ以外としたくないわけではない。  めちゃくちゃしたい。  アイツに会えないこんな夜には。  アイツがさせてくれれば誰もいらないけれど。  多分アイツも俺が誰を抱いても気にしない。  でも、だ。  俺がちゃんとしたいのだ。  俺は壊れてる。  色んなことの歯止めが効かない。  めちゃくちゃしてきた。  でも、何がちゃんとなのかもわからないけれど、ちゃんとしたい。  アイツにしてしまったことへの償いにもならないけれど。  で、もやもやしながら横になったところで、ソレが現れたわけだ。  身体をかせ、とソイツは言った。  「嫌だ」  当然俺は拒絶した。  

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