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殺される夜の過ごし方3

 教授と  さんの関係も僕には分からない。  あんなに互いに求め合っているのに 、近付くことを二人で怖がっている。  教授は、目覚めるまで彼のそばにいると言っていた。  僕は妹にもう寝るように促し、彼女が寝たのを確認してから自分の部屋のベッドに横になった。  あの人はどうしてるだろう。  忘れてしまってた。  あの神社から飛び出した悪いものについて考えていて。  教授にも相談するべきだろう。  とりあえず、彼が目を覚ましてからでいい。  彼にも相談しよう。  あの人は大丈夫だろう。  教授もそう言ってたし。  でも、当分会えないな、この騒ぎでは。  僕の身体がそう思うと疼いた。  すっかり、慣らされ、教え込まれて。  あの人に会いたいのは、僕の身体なのか、気持ちなのか、僕にはわからなくなる。   当分、出来ないなぁ。  そう、僕はあの人とすることは嫌いじゃない。  だって気持ちいい。  だから余計に分からなくなるんだ。  あの人と、僕の関係について。  僕は目を閉じた。      夢を見た。  あの人が僕を閉じこめていた時の夢だ。  毎日淫らに身体に触れられていた頃の夢だ。    目隠しされた僕は、乳首を執拗に弄られている。  もうよく知っているあの人の両手が、僕を背後から抱えたまま、僕の乳首を両手で弄る。  背中に熱い肌を感じる。  親指で乳首を回され、押しつぶされる。     嫌、やめて  僕は呻く。  耳元で微かな笑い声。  僕のソコが立ち上がっているので、感じていることは筒抜けだったのだ。  あの人は今度は僕の上に覆い被さり、僕の乳首をくちに含んだ。  僕はあの人の頭を押しのけようとするけれど、甘く噛まくれて、身体を強ばらせた。  いやらしく舌が乳首をなめあげる。    嫌、嫌、  やめてもらえない。  吸われたら、身体が震える。  噛まれたら、  ダメ、嫌、  声があがる。  僕はあの人の髪の毛を乱しながら、愛撫に耐える。  僕は目をさます。  あれ?  目を覚ましたのに。  これは僕の部屋の天井で。    噛まれながら乳首を摘ままれ、僕は叫びそうになった声を殺す。  教授に聞かれる。  妹に聞かれる。    え、なんで。  僕は僕のベッドの上で、ここにいるはずのなああの人に抱かれていた。  ここにいるはずのないあの人が僕を、僕の部屋で抱いていた。  暗くて、よく見えないけれど、僕がこの人を間違えるわけがない。  この舌使い、この指の感触。  身体の重さ、触れ合う肌の体温、感触。  思わず押しのけようとつかむ髪の感触。  暗闇で何度となく抱かれてきたのだ。  この人だ。  何故ここに。  混乱する僕をそのままに、あの人は僕の身体をいつものように弄っていく。  乳首を摘ままれ、舐め、吸われ、もう片方の乳首も指で弄られて。  そのすべてに身体が反応する。  気持ちいい。  僕は声を出しかけて慌てて、両手で口を塞ぐ。  ダメ、家族に聞こえちゃう。  教授や妹に。  あの人がふっ、と笑った。  この悪い笑い方は間違いなくあの人で。  でも今のこの人には両手があった。  僕は混乱する。    また乳首ばかりを責められる。  舐め上げられる湿った音が響くのに、おののき、  甘く噛まれて、思わず腰が揺れる。  熱は下の方に溜まっていく。  そんな風に、吸われたら、そんな風に噛まれたら。  気持ち良すぎて声が出そう。  声を殺す為に両手で口を抑える。  ダメ、胸だけでイかされる。  胸だけで僕をイかせてたりするのが、この人の好みだ。    乳首だけでイけるような身体にされてしまっている。  ああ、どうしよう。イきそう。  「イけよ」   耳元で囁かれた。  その声で、僕は射精した。  そう、教え込まれているから。  僕は自分の手を強く口に押しつけ、声を殺した。    出した僕の髪を甘やかすように撫でるのもあの人で。  でも、何で。  何故ここに今いるの、警察のとこにいるはず。  混乱する僕の身体が裏返しされ、僕の尻を持ち上げ、割開き、あの人が後ろの穴を舐め始めたので、僕は何も考えられなくなった。  僕はソコを舐められるのが苦手で、そんなところを舐めないで欲しくて、いつも嫌だって言っているのに。  今の僕は声を出せないので拒否もできない。     ふぅ  押し殺した声が漏れる。  嫌なのに、これ嫌いなのに、いつもすごく感じてしまう。  あの人の舌が、ああ。そんな風に舐めないで。  片手で口をもう片手シーツを掴んで、懸命にこらえる。  羞恥で顔が熱い。   やめて、舌までねじ込まないで。    拒否する声さえあげられず。   十分に濡らしたそこに、次は指が入れられることも分かっていた。  舌が離れた時、待ち切れなくて僕は思わず腰を蠢かしてしまう。  誘うように。  あの人が嬉しそうに小さく笑う。  指を入れられる。  慣れた指が、知り尽くした身体を貪る。  容易く、そこを見つけられ、指で擦られ、僕は腰を動かす。  迎え入れるように動いてしまうのは仕方ない。  丁寧に丁寧に、残酷な位丁寧に、穴は慣らされていく。  ああ、もうそこばかりこすらないで欲しい。  頭がおかしくなる。  また僕のモノが立ち上がっている。   指を増やされ、執拗にそこを狙われる。  思わず声が出て、脳が焼けるような場所を。  うっ、うっ くぐもった声を僕は自分の抑えた手の中に零す。    手が伸ばされた今度は穴と乳首を同時にいじられた。  そこをこすりながら、乳首を回され潰され、強く摘ままれる。  ああ、そんなことしないで。   久しぶりの感覚に身体がわななく。  腕が一本になってからはされなくなったことだ、  ああでも、腕が一本になってからはその分一つの箇所にかける執拗さがまして、それはそれで。     僕は頭がぐちゃぐちゃになる。   指が与える刺激に、身体は波打ち、  ああ、分からなくなる。  気持ちいい、ただ、気持ちいい。       ふぅぅ  僕は声をこらえて、また放つ。        ぐったりと弛緩した身体をあの人は抱きしめた。  唇が首筋や背中に落とされる。  優しく手が 、髪を全身をなでさする。  僕を好きだと、その手が言っているみたいで、こうされるのは好き。  音を立てて肌を吸われる。    あの人はそうやって、自分の痕を僕に刻むのが好きなのだ。  そして、良く知っているあの人のモノが後ろの穴にあてがわれた。  身体で形を覚えているそれが。     ご馳走を目にした時のように、僕の喉がなる。  これを入れて欲しくて。  それはゆっくりと入ってきた。  ああ、そう、コレが好き。好き。  入れられるのが好き。    僕は必死で口を抑えた。  僕はここからどうなるのか知っているからだ。     あの人がゆっくりと動き始めた。    もう僕には僕を制御出来なくなる。     そして、この人も。  僕は手を口から離さないことだけを誓った。    ひどい。  僕は声を抑えることさえ、教えられていないのに。    あの人が突き上げた。  僕はのけぞり、声を手の中に零す。    朝までこれが続くことを僕は知っていた。      終わらない責め苦は 、それでも良くて、僕は涙をながしながら耐えていく。  そして、僕は気付いていた。  この人は幽体だと。  死んではいない。  身体はどこかにある。  でも、何故?  

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