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殺される夜の過ごし方4

 「警察署を出たきり連絡がない?、いや、こっちには来てない」  私はアイツの弁護士からの電話を切った。  アイツは姿を消した。  まあ、この混乱だ。  落ち着くまでいなくなるのは良い判断だけど、アイツがあの子に何にも言わないでいなくなることだけはありえない。  容疑は完全に晴れただろうから、思っていた以上には騒がれないだろうに。  何故なら、また死体は見つかったから。  ただし、今度は男性だったが。  テレビの画面には被害者の男性の写真が映し出されていた。  まだ若い。  あの子や彼位の年頃だろう。  綺麗な華やかな顔立ちをしていた。  デザイン系の勉強をしている学生だったらしい。  何かが落ちる音がした。  私は振り返った。  彼が立ち尽くしたまま、画面を食い入るように見ていた。  その足元にマグカップが転がっていた。  コーヒーがこぼれてた。  起きてコーヒーを飲もうとしていたようだ。  目覚めた彼にほっとしながら、その様子にまだ調子が悪いのかとまた心配してしまう。  「大丈夫か」   声をかけるが、彼は画面から目を離さない。  「知ってる子だ」  彼は低く呟いた。  「殺されたなんて」  彼は真っ青になりながら画面を凝視し続けていた。  画面に映る写真の男の子はアイドルみたいに笑っていた。

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