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悪鬼のような夜の過ごし方2

 やりたい。  貫きたい。    堪らない。  やりたくて、堪らない。  オレはムラムラしていた。  昨日散々ぶち込んで、貫いて、死体になってからも入れたってのに、またしたくてたまらない。  オレは夜の街に繰り出す。  そうだな、女でもいい。  今のオレなら、女相手でも出来るんだ。  今なら女の良さもオレには分かる。  女は貫きやすい。  柔らかくて。  確かに、貫くには、女は具合がいい。  オレは店のウインドーに自分を撮し、髪を整え直す。  バッティングセンター帰りのようなスポーティーな格好に、スポーツバッグ、バットケース。  軟派するにはちょっとあれ、だが、油断させるならばこれで十分。  いや、別に女やゲイに相手を縛る必要もないな。  ノン気の男でもいい。  その場合は、貫いて動かなくなってから、ぶち込まないと。  貫く瞬間が一番いいんだが挿れられるなら挿れたい。  この夜に、相手は選びたい放題じゃないか。  別に一人に限る必要もない。  オレは街の光と影に踊り出したくなる。  捕まる怖さはなかった。  大丈夫だと、オレの中の何かが言っていた。    この夜は街はお前のものだと。    殺すのに時間をかける必要もない。  どんどん殺していこう。  沢山いるんだから。  でも、あのすかしたヤツだけは別。  アイツだけは簡単には終わらせない。  警察署の前で、オレの代わりに捕まった男が釈放されるのを待っていた。  男がアイツの関係者なことはわかっていたから。   残念ながら 、ひっそりと釈放されたあの男はまるで消えるように尾行するオレの前から姿を消した。  まあ、いい。   オレは野次馬と記者やテレビで溢れる、あの神社を訪れ、ここで学者が消えた男と一緒にここで何か撮影しようとしていた情報は手に入れた。  大学名は分かった。  そこから探せばいい。  とにかく今夜はパーティーだ。  ワクワクする。    オレのモノが固くなる。    ああ、やりてぇ。  アイツは、今日じゃない、またゆっくり、残酷にやってやる。  迷ったフリをして、声をかけ、上手く和む。  少し先まで案内してもらえる約束を取り付け、落とし物をしたからちょっと取りに行くので、と裏通りに連れ込む。    すごく簡単だった。  絶命し、目を見開いたままの男の乳首を最後に、噛んだ。  良かった。  好みの男だった。  ちょっとアイツに似た、そう、オレのモノを噛み切ろうとしたときのアイツみたいに、出来る系の大学生みたいなキレイ目ファッションの若い男。  連れ込んで後ろを向いた瞬間に、刀で貫いた。  声も出さずに倒れ、その目から絶望が流れ出す。  この瞬間が一番いい。  オレは快感に震えた。  射精する。  何度となく出来る。  「何故」  自分が死ぬ理由すらわからず、死んでいく人間の絶望が、そう、愛しい。  オレは愛すら覚えていた。  生命が流れ出してしまえば、もう、抵抗されることもない。  まだ温かい身体を弄んだ。  それはそれで、楽しかった。  女相手ではコレはできない。  オレは自分のズボンをあげた。  さあ、今日はもう一人位いけるだろうか。  「何している」  怒声が飛んだ。  制服の警官が、こちらを覗きこんでいた。  パトロールか。  血まみれの死体。返り血をあびたオレ。傍らには刀。  暗いから警官いるそこからは見れないだろうけれど、少し近づかれたらそれらが見つかる。     今スグ斬レ    頭の中の声が言った。  オレは従った。    近付いてきた警官に刀を構えて斬りつけた。    「え?」  警官は驚いただろう。  暗がりに入りこんだならそこにいた男に斬られたのだから。  オレも驚いた。  何でオレにこんなことが出来るのか。  オレは一瞬で警官の喉を切り裂いていた。   何度となくしてきたかのように、オレは簡単に人を斬っていた。  ただ、刺すのではなく、斬って。  時代劇のサムライみたいに。  血を吹き上げ、警官は前のめりに倒れた。    オレはぞくぞくした。  また射精していた。  残念ながら、でも今日はここまでだ。  スポーツバッグからパーカーを取り出し、返り血をあびた服を隠し、顔を拭い、フードを深く被る。  刀を鞘に入れ 、バットケースにしまう。  ついでに警官の銃も取り上げた。    ああ、なんて楽しい。    オレは夜の闇に紛れていく。    

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