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叶った夜の過ごし方1
「待たせたなぁ、おれだ。おれだよ」
あの人に取り憑いたモノは懸命にオレの中の遊女に話しかけるのだが、なんにも反応がなくて。
オレは身につけた魔除けも外しているのだけど、全くの無反応。
「てめぇ、分かってて無視してんな、おい」
あの人モドキはキレはじめた。
「彼に怒鳴るな」
教授の方がガチでキレる。
「いや、この兄さんにじゃなくて、あんのじゃじゃ馬~」
あの人モドキは困り果ててる。
「もしかしたら、あなたそんなに【彼女】にすかれていないのでは」
あの子が相変わらず容赦ない事を言う。
「何だと、そうなのか!!何百年も追いかけて来たんだぞこっちは、ソイツはとんだウッカリじゃねぇか」
モドキは慌てる。
楽しい悪霊だ。
オレは笑ってしまった。
「大丈夫だよ。オレは彼女の記憶を一部見ている。彼女は君が好きだよ」
一番あちきを思ってくれる人、あちきが死んだら悲しんでくれる人、
遊女は幼なじみの彼をそう思っていた。
「じゃあなんで出てこねぇんで?」
モドキは短気らしくイライラし始めた
でも全く反応がない。
「とりあえず、明日にしましょうか?」
あの子が言った。
「綺麗な兄さんいいのかい?精気をまた吸われることになるんだぜ」
心配そうにモドキが言った。
そうだ、まだオレも精気をもらってない。
でも、あの子に負担になるなら
「大丈夫ですよ、後数日なら」
あの子はにっこりと笑った。
良くない。
オレは思った。
「ダメだ」
教授も言った。
「でも、そのバカを殺すのも夢見が悪い。一人ならまだ大丈夫なんだろう」
あの子に教授は言った。
「ああ、はい」
あの子は何かを察したかのようににっこり笑った。
教授はオレを引き寄せた。
オレの肩を抱く。
「私達は今日は外で泊まる、また明日考えよう。後、君はキスだけで精気は与えられるんだよな。そのバカにキスだけしてやれ。この家の中でまたバカな真似したら出入り禁止だ」
あの子とモドキを通してあの人に教授は言い渡した。
オレ達は外へ泊まるって。
いや、分かってるセックスして精気を与えると教授は言っている。
「わたしも行きたい」
教授の娘が甘えてきたが、あの子がたしなめた。
「今日はダメ。今日は僕と寝ようか、久しぶりに」
教授はオレの手を掴んで歩き出した。
オレは、オレは。
混乱した。
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